研究課題
本研究は、国際財務報告基準(IFRS) の適用に積極的な製薬企業を取り上げ、それら企業の任意適用への対応について議論を行ったものである。日本企業がIFRSの任意適用を決めた理由には、次のようなものがあることがわかった。(1)グローバル化の進展に備えて世界共通の財務報告を目指すため、(2)同業他社との財務情報の比較可能性を向上するため、(3)外国人投資家にわかり易く説明するため、(4)資金調達の選択肢を拡大するため、そして(5)経営管理の高度化を図るため、などである。一方、IFRSには、当期利益に影響を与える項目として、売上高、のれん、無形資産の減損、固定資産の減価償却、研究開発費、包括利益など日本基準と異なるところがある。製薬企業にIFRS任意適用が増えている背景には、海外展開や合併・買収(M&A)の拡大が影響していることが挙げられる。本研究では、IFRS適用が我が国における13社の製薬企業に焦点を当て、それらの業績評価にどのような影響を及ぼしているかについて、主要財務データをサンプルとして実証分析を行ったものである。この研究のテーマは「Impacts of Voluntary IFRS Adoption on Japanese Pharmaceutical Companies: An Analysis by Financial Comparison」で、この研究成果を、The 12th New Zealand Management Accounting Conference (19-20th November 2018)で研究発表を行った。なお、その内容を加筆修正して、Melco Management Accounting Research Discussion Paper Series(No.MDP2018-006)に掲載した。
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メルコ管理会計研究
巻: 第11号ーⅠ ページ: 45-58
Melco Management Accounting Research Discussion Paper Series
巻: No. MDP2018-006 ページ: 1-16
http://melco-foundation.jp/wordpress/wp-content/uploads/discussion_paper/MDP2018006.pdf
国際経営論集(神奈川大学)
巻: 第56号 ページ: 49-60