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2018 年度 実績報告書

アカウンティング・プロフェッションによる監査のガバナンス支援機能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K04019
研究機関同志社大学

研究代表者

百合野 正博  同志社大学, 商学部, 教授 (20104606)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードアカウンタビリティ / パブリック・アカウンタビリティ / 官吏と公僕
研究実績の概要

我が国においては、大企業のディスクロージャーとガバナンスは非常に重要な制度として厳しい統制の対象となっている。そのため、企業の「不正」が明るみに出るたびに、企業と監査法人の責任が厳しく追及されているのである。ところが、いわゆる「東芝事件」は、ディスクロージャーとガバナンスに関する責任の取りようが「一般企業」と「国策企業」とで大きく異なっていることを白日のもとに晒した。「国策企業」においては、「不正」が「不適切」に格下げされ、経営者は責任を問われなかったのである。戦後70年かけて構築されて来た我が国のディスクロージャー制度は根幹の部分で疑問符をつけられた。
そして、この根幹の部分の疑問符は、パブリック・セクターの機能不全ともいうべきその後の国レベルでの様々な出来事と密接につながっていることを白日のもとに晒した。いわゆる「モリカケ問題」では、公文書の改竄及び破棄・証拠の隠蔽及び隠滅・偽証・記憶喪失等が国会の場で堂々とまかりとおり、刑事訴追の恐れがあるとして答弁を拒否した責任者は刑事訴追されなかった。厚生労働省の統計データ改竄問題は、国の政策の根底を揺るがす大問題であるにも関わらず、責任者が繰り返した答弁を指弾できないまま時間だけが経過している。さらには、会計検査院の的確な指摘を検査される側が曲解しても、それがまかり通ったのである。
いつの間にか官邸や官庁にはディスクロージャーとガバナンスが存在しなくても構わないという雰囲気が当然のごとく醸し出されてしまっているのである。国政レベルにおいて「説明責任を果たさせることの難しさ」を目の当たりにさせられている現況は、私の研究の意義と重要性を再確認させた一方で、研究する術がないことを痛感させられることとなった。官尊民卑の根深さとプライベート・セクターの無力さが並のレベルでないことは、シンガポールでの聞取調査においても痛感させられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 独自一己・自治自立・てき(人偏に「周」の「土」が「キ」の直立)儻不覊2019

    • 著者名/発表者名
      百合野正博
    • 雑誌名

      企業会計

      巻: 71巻2号 ページ: 80

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公開日: 2019-12-27  

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