研究課題/領域番号 |
16K04024
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研究機関 | 東京都市大学 |
研究代表者 |
木村 眞実 東京都市大学, 環境学部, 准教授 (80516865)
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研究分担者 |
外川 健一 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(法), 教授 (90264118)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | マテリアルフローコスト会計 / 環境配慮設計 / 自動車解体業 / 自動車メーカー / 四輪車 / 二輪車 |
研究実績の概要 |
本研究では,自動車メーカーによる環境配慮設計が解体の現場で活用可能であるのかに関して,実際の解体データ(時間情報,物量情報,金額情報)から検証することを目的としている.研究目的の遂行に向けてサブテーマ1~9 を設定している.主な流れは以下である. メーカー別の環境配慮設計を比較検討(サブテーマ1・2)→実証試験実施要領作成(サブテーマ3・4)→解体実証試験を行い,解体工程のデータ(時間情報,物量情報,金額情報)を収集し,環境配慮設計による作業効果の検証と現場改善を実施(サブテーマ5・6)→損保会社の補修性評価と環境配慮設計との関連性を調査(サブテーマ7)→自動車リサイクル法等の現状と課題を整理(サブテーマ8)→自動車メーカーと解体業者等へのヒアリング調査によって環境配慮設計の効果と活用可能性を検討(サブテーマ9)→最終報告書を作成. サブテーマ5・6に関して,外部要因によって,協力企業における「車両全て」についての解体実証が困難となった.そこで,今年度では,解体対象を「車両全て」から「特定部品(樹脂,ガラス)」へと変更を行い,解体試験を行うこととした.その結果,協力企業において解体実証試験を実施し,マテリアルフローデータ(時間情報,物量情報,金額情報)の収集を行い,環境配慮設計のうち,分離性に関して,活用可能性と効果を,「回収のし易さ」,「回収量」,「回収時間」から検証した.また,自動車の範囲を,4輪車のみならず2輪車へも拡げることとし,二輪車に関するリサイクルの状況を研究/調査した. サブテーマ8に関しては,自動車リサイクル法の見直しに際して,ASR再資源化の観点から制度の課題等を整理し,研究成果論文として公表した. そして,サブテーマ9に関して,今年度は,日本自動車リサイクル機構の会員企業を対象とした各種調査を行うことで,同組織/業界との情報交換を積極的に実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「ガラスと樹脂」を対象とした解体実証試験を協力企業と共同で実施し,一部成果を公表できた.しかし,緊急事態宣言発令によって,サブテーマ9に関して,メーカーと解体業者への,ヒアリング調査が十分とは言えない.よって,研究の進捗は,やや遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
サブテーマ5・6に関して,日本自動車リサイクル機構が2021年3月に「リサイクル設計事例集」を発表したことから,そこでのベストプラクティスが解体現場で活用可能であるのかを,再度,解体実証試験を行い,解体時のマテリアルフローデータ(時間情報,物量情報,金額情報)から検証したいと考えている.また,対象を四輪から二輪車まで拡げたことから,二輪車に関する環境配慮設計を調査するとともに,協力企業を得られた場合には解体実証試験を二輪車についても実施したいと考えている. また,サブテーマ9に関して,メーカー系のリサイクル研究所へのヒアリングを実施し,メーカーにおける環境配慮設計の現状と課題を明確化する. そして,前年度までに行った学会報告をベースに,国内外の高IFジャーナルへ投稿し,最終報告書としてとりまとめる計画である.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスに起因する緊急事態宣言発令によって,協力企業との実証試験,メーカーと解体業者へのヒアリング調査を計画通りに遂行できなかったため,次年度使用額が生じた.
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