研究課題/領域番号 |
16K04030
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小林 大祐 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (40374871)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 調査員効果 / 性別役割意識 / マルチレベル分析 |
研究実績の概要 |
平成29年度上半期は、SSP2015調査データの調査員属性データの提供を受け,調査員の目に見える属性が回答に与える影響について,特に調査員の性別が性別役割意識に与える影響に焦点を当てて,データ分析を行った。調査対象者の回答が,調査員にネストするというデータ構造のため,マルチレベル分析によって検証を行った結果,調査対象者の水準の諸要因をコントロールしても,調査員の年齢や性別が性別役割意識の回答に影響を与えている可能性を示唆する傾向が確認された。この成果は,平成29年11月4日,5日に東京大学で開催された第90回日本社会学会大会において,連携研究者である前田忠彦氏との共同報告「調査員の性別が 性別役割分業意識に与える影響について:SSP2015データを用いた分析」として報告された。また,同様の報告をSSPプロジェクトの調査メソッド班研究会でも報告を行った。 平成29年度下半期は,学会発表などでもらったコメントをもとに,分析の改善や結果の表示の仕方の修正を行い,査読論文投稿の準備に入った。また,SSP2015調査データを用いた関連研究の成果として,数土直紀編の『格差社会のなかの自己イメージ』(勁草書房)に「働き方と地位アイデンティティ:正規への移動障壁が非正規の地位アイデンティティを低めるのか?」を分担執筆した。これ以外に尾嶋史章・荒牧草平編の『高校生のゆくえ:学校パネル調査からみた進路と生活の30年』(世界思想社)に就職希望者のプロフィール:30年間の変化に着目して」も分担執筆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ分析は概ね順調に進めることができ,学会発表という形でその成果発表にも取り組むことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
2017年度下半期より,研究成果の論文執筆に取りかかっているが,連携研究者と話し合った結果,英語論文としてまず投稿をしようということになった。このため,次年度(平成30年度)は今年度(平成29年度)下半期から引き続き,英語論文の執筆と投稿が目標になる。また,2017年度に行った学会発表でもらったコメントを参考に,改善した内容で学会発表を行うことを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は,研究代表者の家族に健康問題があり,夏から秋にかけて,連携研究者との打ち合わせの回数を減らさざるを得なくなった。これにより,主に旅費において未使用が生じ,次年度使用額の発生につながった。
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