研究実績の概要 |
交付申請書に記載したとおり、戦後意味学派の言語観と、戦前世代を代表する社会学者であるマックス・ヴェーバーとエミール・デュルケムとの思想的つながりについて、さらに集中的に研究を進めた。またこれについては、とくに海外での資料収集やフィールドワークなどを各所(ベルリン、ミュンヘン、ニュルンベルクなど)で集中的かつ優先的に実施した。結果、これまでの先行研究の少なさに反し、ヴェーバーとデュルケムの二者についてだけでも当時の社会背景や彼ら自身の社会活動との関わりなどで予想以上に深みと広がりのあるテーマであることが判明し、言語学や歴史学などの知識も得て、さらなる掘り下げが必要だと考えるに至っている。なおとくにヴェーバーの言語観については、オーストリア・クラーゲンフルト大学において招待講演(英語)を実施した。また関連テーマで、オーストリア・グラーツ大学やベルリン工科大学社会学研究所などでも、英語ないしドイツ語による研究発表を行うなど、他国研究者たちとの研究交流と情報収集にも努めた。なお、本テーマで英語論文1本が現在査読中である。 また、関連する理論的研究により、英語論文(日本語既公刊論文の英語版)1本を、国際学術雑誌(査読付)において公刊するなどした(Tada, Mitsuhiro, 2018, “Time as Sociology’s Basic Concept: A Perspective from Alfred Schutz’s Phenomenological Sociology and Niklas Luhmann’s Social Systems Theory,” Time & Society, first published online: January 29, 2018, DOI: 10.1177/0961463X18754458. )
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