|
2016年度および2017年度に、選定した主要数都市につき、都市内分権組織（ネイバーフッドカウンシル）の制度設計確認、都市内分権の編成とその生活支援サービスについての把握をおこなった（ネイバーフッドカウンシル会議記録、各種資料に関する自治体側からのデータ収集、またネイバーフッドカウンシルの住民代表への直接のヒアリング調査）。
最終年度の2018年度には、その研究調査の結果を基として、都市内分権において各ネイバーフッドカウンシルがコミットする生活支援サービス（都市サービス）運営の実相を確認し、その社会的機能を一定の類型として示した。選定都市につき、これまでに現地において資料調査とヒアリング調査を実際におこなったバーミンガム市（アラバマ州）、ポートランド市（オレゴン州）、シアトル市（ワシントン州）、タコマ市（ワシントン州）を俎上にあげてマトリックスとして示した。
この研究成果を通じて、従来のJ.Berryらの強い影響下にあった、都市内分権を民主主義の器と専ら見てきた動向に対して、都市サービス供給システムというダイナミクスの中でネイバーフッドカウンシルという認証制度化された住民組織のありかたを明らかにする試みをおこない、一定の成果を上げたと考える。
その成果は、論文2本の刊行として、また全米コミュニティ協会（NUSA)第43回大会(バーミンガム）、国際社会学会（International Sociological Association)第19回大会（トロント）、東アジア社会学会第1回大会（東京）での3つの国際学会にて口頭報告として公に報告した。
|
