研究課題/領域番号 |
16K04038
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研究機関 | 東京国際大学 |
研究代表者 |
柄本 三代子 東京国際大学, 教育研究推進機構, 教授 (90406364)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 食 / リスク / コミュニケーション / 有機 / 農業 |
研究実績の概要 |
今後は、2018年7月にカナダ(トロント)で開催された国際社会学会において、Thematic Group 04 Sociology of Risk and Uncertaintyによって企画されたセッションFood and Risk Societyにて報告をおこなった。タイトルは "How Can We Communicate with Others By Food Risk?"である。当学会に参加することにより、他国研究者の研究状況について知ることができ、また多くの研究者らと情報交換するなど交流することができた。 また、同9月に甲南大学で開催された日本社会学会においては、テーマセッション「原子力と放射能をめぐる分断の実態と共存への道」において、「放射能汚染をめぐる食の安全において後景化するつながり――『二本松で有機農業が続くこと』を選択する人びと」というタイトルで報告をおこなった。 いずれの報告においても、参加者たちと充実した議論をおこなう機会となり、今後の研究の深化につなげることができた。また報告することで、当研究事業の「中間取りまとめ」となった。 以上のように学会報告をおこなういっぽうで、東日本大震災の際に福島原発事故の被害をうけた福島県二本松の有機農家を中心にしてフィールドワークをおこない、生産者や流通業者への聞き取りをおこなうなどして実証研究をおこなった。有機農家と、生産者を支援する人たちの実践について参与観察をおこなった。 以上と平行しながら、引き続き文献研究もおこなった。 以上の研究報告や調査をふまえ、論文投稿もしくは単著執筆の準備もすすめつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献研究の進捗は予定どおりである。調査に関しても、フィールドワークやインタビュー調査を継続的におこなうなどしている。予定していたトロントでの国際社会学会報告や、日本社会学会での報告も実施した。 ただし、学会報告をおこなうことで多くのアドバイスや知見を得、さらに研究が深化し、当研究事業の実施期間を一年延長することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの成果をふまえ、本年9月末日までに、来年7月にブラジルにて開催される国際社会学会での報告エントリー準備をすすめる。また引き続き、文献の渉猟と調査を実施する。 また当研究事業の成果をふまえた単著の企画と出版の計画を具体化させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際社会学会で報告をおこなうことにより、重要なアドバイスと知見を、各国の研究者から得ることができた。これをふまえ次年度においてさらに、仮説をきたえ当研究事業内容を深化させることが期待できるからである。したがって、次年度使用額が生じたのは、研究の遅滞を意味するものではない。 具体的な使用計画としては、調査にかかわる旅費や謝金を中心とした諸経費、および国際社会学会ブラジル大会エントリー準備に関連した経費が見込まれる。
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