研究課題/領域番号 |
16K04040
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
宮野 勝 中央大学, 文学部, 教授 (30166186)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ヴィネット・アンカリング / 国際比較 / 質問紙調査 |
研究実績の概要 |
平成28年度に予定していた課題は4点あった。このうち(1)(2)は進んでいるが、(3)「質問紙作成のためのインタヴュー調査」(4)「日米比較のための質問文の構成方法の見直しと質問紙作成・翻訳」は遅れている。 (1)「先行研究・予備調査からの課題特定」には課題が3点あった。①「国際比較の方法に関する先行研究の問題点の整理」は、新しい文献や見落としていた重要文献の発掘なども試みつつ、問題点を整理中である。②「2015年2月の日本予備調査の再分析と問題点の剔抉」は、大学の研究費による新規の調査データも含め、2015年2月の日本予備調査の政治家信頼についてのヴィネット・データを中心に分析し、ヴィネット法が有効でない場合の条件について検討している。③「政治的関心・信頼感など対象とすべき社会意識の絞り込み」は、考察中であるが、決定には至っていない。 (2)「ヴィネット・アンカリング法の諸仮定の吟味と抜本的見直し」は、ヴィネット法の諸仮定を洗い直して検討している。またヴィネット法使用の際のデータの集め方についても考察している。たとえば、ヴィネット提示順をランダマイズすべきか否か、仮にランダマイズしない場合にヴィネットはどのような順で提示すべきかなどで、大学の研究費による2016年7月の調査データを分析して簡易ヴィネットで検討し、紀要論文にまとめた(『ヴィネット法における提示順の効果:政治的関心を例に』中央大学文学部紀要27号63-72頁:2017年3月)。技法の開発は3年間を通じての課題であり、検討を続ける。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新しい文献や見落としていた重要文献などもあり、予定していた以上に、平成28年度の課題(1) 「先行研究・予備調査からの課題特定」、(2) 「ヴィネット・アンカリング法の諸仮定の吟味と抜本的見直し」に、時間がかかったし、かかっている。このため、平成28年度の後半に予定していた、課題(3)「質問紙作成のためのインタヴュー調査」、および、(4)「日米比較のための質問文の構成方法の見直しと質問紙作成・翻訳」への取り組みが、遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度中の実施を予定していたが遅れた課題のうち、(3)「質問紙作成のためのインタヴュー調査」は、今年度の早い時期に実施を予定している。その後、(4)「日米比較のための質問文の構成方法の見直しと質問紙作成・翻訳」に移る。さらに、今年度中に、平成29年度に予定していた「質問紙調査」まで進むことを考えている。 なお、今年度の夏に米国の研究協力者を訪問し、今年度の冬に米国から研究協力者の来日を要請し、議論を深める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画に遅れが生じ、インタヴュー調査や調査票作りまで進めなかった。このため、米国への訪問も取りやめ、それらに予定していた費用の出費がなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は、インタヴュー調査や調査票作りとそれらの英訳、また米国の研究協力者への訪問に出費を予定している。
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