研究課題/領域番号 |
16K04040
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
宮野 勝 中央大学, 文学部, 教授 (30166186)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ヴィネット・アンカリング / 国際比較 / 質問紙調査 |
研究実績の概要 |
過年度から、「日米比較のための質問文の構成方法の見直しと質問紙作成・翻訳」という課題を持ち越していた。平成29年度は、この「質問紙作成・翻訳」、そしてその後の「調整」に、時間をかけることになった。 質問紙の作成と翻訳は、「ヴィネット・アンカリングによる国際比較方法の再検討」という本課題にとって、国際比較という点でも、ヴィネット法という点でも、極めて重要な位置を占めている。どのようなテーマを対象に選ぶか、どのようにヴィネットを作成するかを含め、慎重な検討が必要であった。研究協力者である米国研究者と議論し、従来の国際比較調査の問題点を考慮しつつ、どの意識項目(たとえば政治関心・政治信頼など)をヴィネット調査の対象とするか、そのためにどのような質問が必要か、ヴィネットに関する新しいアイデア、調査の方法、などについて検討し、結論を、協同して英文メモとしてまとめた。 その後の質問票案の作成、翻訳などについても、配慮した。結局、第1次の質問票案は、英文メモのアイデアをもとに、日本語で書き下すことになった。最初に英語で書くと、内容・表現などで、日本語にしたときに不自然なものになることを懸念したためである。本研究は2国間比較であるため、多国間比較と比べれば調整は容易ではあろうが、それであっても最初に何語で書くかは、重要な決定であった。 日本語で第1次の質問票案を作成した後、英語に翻訳した。だれがどのように翻訳するかという点も大きな問題であるが、今回は、研究代表者が翻訳した。 その後、英訳した第1次の質問票案をもとに議論し、質問文の訂正、質問の差し替え、並べ替え、などを経て、第2次案としてまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本課題にとって、質問紙の作成と翻訳は、国際比較という点でも、ヴィネット法という点でも、極めて重要な位置を占めている。そのため、どのようなテーマを対象に選ぶか、どのようにヴィネットを作成するかを含め、予定していた以上の慎重な調整が必要になった。 また、研究代表者が予定していた夏の米国訪問を果たせず、さらに、研究協力者である米国研究者との議論・調整はすべて英語であり、誤解が生じないように、ゆっくり確認しつつ進めたため、遅れが生じることになった。
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今後の研究の推進方策 |
今後、back-translationを経て微修正して第3次案をまとめ、プリテストを実施して微修正して第4次案とし、本調査にかける予定である。 本調査は6月を予定しているが、具体的な調査の方法について、細部を詰めているところである。 調査終了後は、分析に入り、最初の分析結果を持ち寄って8月に研究代表者が訪米して議論し、その後、分析を続け、最終的に論文としてまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
夏に米国の研究協力者を訪問して議論を深めることを予定していたが、果たせなかった。このためもあって研究計画に遅れが生じ、調査票調査まで進めなかった。米国訪問の取りやめ、調査の未実施などにより、それらに予定していた費用の出費がなかったため、次年度使用額が生じた。 平成30年度は、完成した調査票のバックトランスレーション、プリテスト、本調査の実施、また米国の研究協力者を訪問しての議論への出費を予定している。
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