研究課題/領域番号 |
16K04040
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
宮野 勝 中央大学, 文学部, 教授 (30166186)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ヴィネット / ヴィネット・アンカリング法 / 国際比較 / 日米比較 / 質問紙調査 |
研究実績の概要 |
申請書の研究計画で、(3)「日米比較のための質問文の構成方法を見直」すとしていた。2017年度の終わりまでに、①最初に英語で相談した後、②まず日本語で成文化し、③研究代表者が英訳して④日米で修正していた。2018年度は、質問紙について、⑤さらに日米でやり取りをして調整を進め、⑥翻訳会社に依頼して、日本語調査票を新たに英訳した。研究代表者による英語訳の存在を一切伝えない状態での英訳であり、独立な2種類の英語訳を作成したことになる。 以上の質問票作成法には2つの利点があった。第1に、最初に日本語で成文化した日本語調査票は、言語的・文化的な自由度が高まった。第2に、独立な2種類の英訳は、日本語調査票でどのように表現されているか、他言語話者への伝達度を深めた。 2つの独立英訳は微妙な相違を含みつつも基本的には等しく、両者をもとに、英語最終版の作製を試みた。調査票の第3版が完成し、日本で2018年8月に、Webでプリテスト(N=112)を実施した。その結果を参考にしつつ質問票を最終的に決定し、申請段階より1年遅れで、9月末にWebで本調査(N=2571)を実施した。米国においても、比較可能なように留意した調査票で、米国の協力研究者により、少し遅れて10月初めにWeb調査(N=2000)が実施された。 その後、日米のデータを交換し、少しずつ分析を進めている。ただし、調査票の完成・調査の実施が遅れたこともあり、分析は予定より遅れている。申請書の研究目的に示した「ヴィネット・アンカリング法」に関連し、調査票で複数の種類のヴィネットを考案するなどを試みており、分析手法的にもオリジナリティを出すことを目指している。またデータの分析に際しても、どのように日米比較を行うか国際比較の方法に留意しつつ進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
日米で多忙な期間が相違していることもあり、共同研究の時間調整が難しく、研究の遂行が遅れた。また、国際比較の質問紙作りには慎重さが必要で、想定以上に時間がかかった。それらの結果、日本と米国でのWeb調査は、計画より1年以上遅い2018年の9月末と10月初めの実施となり、その分、分析と検討が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、データの分析を進めているところであり、申請書の研究計画で、「調査データの分析と技法開発(ネット調査を比較分析して社会意識の日米比較に新しい知見を得ることを目指すと同時に、新しい国際比較の技法を提案する)」としたとおり、内容的・方法論的に興味深い知見を得ることを目指している。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた大きな理由は、米国での調査費用を米国研究者が負担することができたためである。データの分析を進めているが、追加で補充調査をしたいことも出てきており、追加の調査を企画している。また、出張しての対面での議論も考慮している。
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