研究課題
基盤研究(C)
本研究で明らかになったことは、P.A.ソローキンの最大の功績は、利他主義社会学の創造であったということである。そのために、あまり知られていなかったロシア時代の未公開文書を、彼の後年の社会学的著作と照らし合わせるという作業を重ねた。またそれにより、亡命ロシア知識人という彼の立場が、それに大きく影響を与えていることが判明した。
社会学史
人が幸福に生きるためには、「きずな」や「連帯」が重視されるようになった。それを増進することをめざす利他主義社会学が、ソローキンの手によって着手されていたことを明らかにするとともに、その内容の整備のための土台作りに成功した。またロシア、チェコ、イタリアなどでのフィールドワークの結果、ソローキンを中心とする国際的な研究サークルを形成することができ、今後の国際的学術交流の基礎を築くことができた。