研究課題/領域番号 |
16K04045
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
渡邊 香 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 准教授 (70610327)
|
研究分担者 |
田中 瞳 東京医科大学, 医学部, 講師 (20406903)
戸津 有美子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 助教 (20774326)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 高校生 / 性意識 / ソーシャル・キャピタル / 性知識 / Self-Esteem / セルフ・エスティーム |
研究実績の概要 |
【28年度の内容】高校生の性意識の規定要因、特に認知的ソーシャル・キャピタル(SC)との関連を明らかにすることを目的に、2017年2月、東京都内の高校2年生1073人に自記式質問紙法を行った(回収率94.5%、分析対象計1011名94.2%)。性知識はコンドーム装着に関する質問の正誤、性意識は高校生の性交渉の容認可否、SCは属する地域への愛着の有無、また、周囲の同世代の性経験の有無、Rosenberg Self-Esteem scale得点(SE得点、平均値で二値化)を調査した。性意識を従属変数、性知識、周囲の同世代の性経験、SE得点を独立変数とした多重ロジスティック回帰分析で検討したモデル1、それにSCを加えたモデル2で分析した。 調査の結果、性知識の設問の正答者は52.6%、33.2%が高校生の性交渉を容認し、68.6%は周囲の同世代の多くは性交渉経験があり、75.9%が属する地域に愛着があると答えた。モデル1では両性で、性知識があること、SE得点が高いこと、同世代に性経験があることが高校生の性交渉を容認しないことに関連していた。モデル2では、両性で、地域への愛着があることが高校生の性交渉を容認しないことに関連していた[OR (95% CI):男 0.52(0.39-0.69), 女0.52(0.38-0.71)]。SCの高い者は、性に関して慎重な意識をもちやすいことが考えられた。 【29年度の内容】28年度の結果をもとに、パンフレット、ポスターを作成し高校教員の協力を得て、30分間程度の講義形式の介入をクラスごとに行った。その後、2~4カ月後に、28年度と同様式の質問紙を用いて、介入後の調査を行った。参加校6校すべてから記入済み質問紙を回収し、現在データ入力および単純集計が完了した。 【今後の予定】30・31年度の計画通り、縦断および横断的分析、成果報告、教育提言を行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
協力高校関係者の協力のもと、研究計画通りに順調に進行している。 研究者らによる協力高校への密な連絡、必要物品や情報の周到な準備により、29年度予定していた教材作成、介入事業、質問紙法による調査が完了した。 取得サンプル数も、おおむね計画通りである。
|
今後の研究の推進方策 |
28年度、29年度とも研究計画通りに進展したため、30年度も計画通りの研究を行うことができる見込みである。これまで通り協力高校関係者との連絡を密にし、30年度、31年度は縦断的な分析および報告、教育提言を行う予定である
|
次年度使用額が生じた理由 |
(理由)29年度に主任研究者および分担研究者が参加する予定であった学術集会に、他用務のためそれぞれ参加することができなかったため。 (使用計画)30年度に開催される学術集会へ参加予定である。
|