研究課題/領域番号 |
16K04050
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
城本 るみ 弘前大学, 人文社会科学部, 教授 (60302014)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | ハンセン病療養所 / 将来構想問題 / 地域性 |
研究実績の概要 |
(1)ハンセン病関連学会に参加し、研究者および各療養所関係者との研究交流をもつことができた。とくに長期にわたりハンセン病問題に取り組んでこられた方々の考えを聴く機会に恵まれたことは今後の療養所の将来構想を考えるにあたり多大な収穫を得られた。またハンセン病問題にはさまざまな分野の人々が関わり、実践的な支援活動等が行われている点は、今後療養所の転用可能性を考えるにあたって大きな示唆が得られた。 (2)こうした研究交流において入所者や支援者、研究者のみならず学生をはじめとする若者の関わり方を知ることができた点については、将来構想を考える上で大事な視点であると考えている。また台湾楽生院の関係者との交流をもてたことにより、以降の渡台調査研究の際に協力していただけることになった。 (3)長島愛生園・邑久光明園・大島青松園の3園のフィールドワークを行ったことで、中国・四国地方におけるハンセン病療養所の現状および将来構想への取り組みやその課題について理解することができた。島という独特の地理条件にある療養所特有の課題があることは、今後療養所の「地域性」あるいは「普遍的課題」を考える上で大きな示唆が得られた。実際に現地に赴いたことで入手困難な各園の資料も入手することができ、地域特有の課題を比較していく視座を得ることができた。 (4)また台湾における外国人介護労働者の受け入れに関する論稿を執筆することによって、人手不足の福祉分野における外国人労働者受け入れについて考察する機会をもつことができた。それにより療養所の転用や将来構想に関しても人材問題に関する視点をあらたにすることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者親族の病気入院とその後の死去にともなうさまざまな諸手続きに加えて本人の体調不良も重なり、当初計画していた夏以降の海外出張および国内出張をすべてとりやめたため。
|
今後の研究の推進方策 |
前年度から研究の遅れが生じているため、平成30年度はなるべく現地での聴き取りや資料収集に努めたい。 とくに平成29年度に実施できなかった台湾への聴き取り調査に出かけ、現地で世界遺産登録へ向けた活動状況の確認や意見交換を実施する予定。また国内療養所における聴き取り調査や資料収集も行う予定。
|
次年度使用額が生じた理由 |
(理由)親族の病気・死去および本人の体調不良にともない、研究の進捗に遅れが出たため。 (使用計画)平成30年度は台湾楽生院をはじめとして、国内療養所もなるべく数多く訪問して現地調査を行いたいと考えている。そのための旅費および現地でしか入手できない資料の収集に係る経費、またその資料整理のための経費として使いたいと考えている。
|