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2017 年度 実施状況報告書

「新しい働き方」の検証と「新しい労働社会」の展望-クラフトを生業にする人たち

研究課題

研究課題/領域番号 16K04060
研究機関岐阜大学

研究代表者

伊原 亮司  岐阜大学, 地域科学部, 准教授 (60377695)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードクラフト / 生き方 / こだわり / 新しい働き方
研究実績の概要

本研究は、「新しい働き方」に注目し、その一例としてクラフトを仕事に選んだ人たちの働き方・生き方を追っている。
この仕事に従事する人たちの出自や背景は様々である。新卒、美大出身者、勤め人経験者、主婦など、多様な背景を持つが、自分のこだわりを形にしたり表現したりしながら働きたいという欲求を持つ点では共通する。いわゆる「大量生産方式」にモノを作ったり、画一的・従属的に働いたりすることを厭う傾向が強く、自分なりの働き方・生活を求めている。その裏腹ともいえるが、ほとんどの者は経済的に楽ではなく、仕事を継続していく中で、そのジレンマといかにつきあうかが大きな課題になっている。専業主婦など、主たる稼得者が別にいる場合は「片手間」でやることも不可能ではないが、独身者の場合は、経済問題が切実となるケースが多い。クラフト一本で暮らしていくことができず、他の仕事と掛け持ちする人、副業の方が主になってしまいクラフトに力を注げなくなってしまった人、自立した働き方を諦めて(再び)被雇用者に戻る人、来る話を無節操に受けるようになった人など、当初に描いていた「こだわりの働き方」とは異なる働き方をせざるを得なくなった人が少なくない。
現実は思ったようにはいかないようであるが、その理由や背景として、「一点もの」ばかりを作っていては「効率」が悪いので「大量生産型」にシフトする層が増えたり、「素人」と「玄人」のはざまでやってきた中で「業者」が入り込んできたり、クラフト展の企画が多くなりイベントの新規性が薄まったりして、クラフトの浸透と同時に陳腐化もあるように思われる。これらの環境の変化については、次年度明らかにしたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通りに進んでいる。

今後の研究の推進方策

クラフト展に足を運び、クラフトに従事する人の調査を続けるが、上述したように、クラフトを取り巻く社会的背景にも目を向ける。町おこし、「B級グルメ」、「ゆるキャラ」など、当初は当地の独自性が際立ち、衆目を集めていたが、大衆化する中で陳腐化していく傾向がみられるが、クラフトにもそういった特徴があるのか。クラフトを企画する側にも目を向けて調査を続ける。

次年度使用額が生じた理由

基本的には予定通り。端数を次年度に繰り越した。

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公開日: 2018-12-17  

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