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2018 年度 実績報告書

「新しい働き方」の検証と「新しい労働社会」の展望-クラフトを生業にする人たち

研究課題

研究課題/領域番号 16K04060
研究機関岐阜大学

研究代表者

伊原 亮司  岐阜大学, 地域科学部, 准教授 (60377695)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードクラフト / ものづくり / 少量生産 / ライフスタイル / イベント
研究実績の概要

クラフトをイベント側からみると、2005年くらいから「同時発生」的に開催されるようになった。それから十数年が経ち、イベント数は増え、世間的な認知も高まった。そして、次の段階として、質が問われるようになった。当初の新規さは失われ、どこも同じような出店(出展)になり、出店者(出展者)のレベルの低さが目につくイベントも増えているからである。
筆者が調査したクラフト展は、応募が毎回200から300あるなかで「セレクト」している。過去にさかのぼって活動をチェックしたり、毎回の売り上げを確認したりして、出店者のレベルを下げないようにしていた。
それに対して、数を追ったり、質を重視しなかったり、出店者の分析が不十分であったりするイベントも存在し、そのようなケースでは、出展者の質が低く、店のばらつきが大きい。そのことはお客も感づいており、次は参加しなくなる。
つまり、企画の水準を維持するには、出店者を選ぶ「目利き」が必要であり、それを確保できるイベントは、結果として、主催者、出店者、お客という「三者のクオリティ」が保たれ、イベントが順調に回っていく。三者は必ずしも利害を一致させているわけではないが、創発的な関係を保ちながら、イベントのレベルを維持・発展させていく。ひとたびこのサイクルができあがると、安定的に維持される。
ただし、企画者を選定するにあたって、丸投げするようだとダメである。自治体の中にはそういうところもある。他方で、自分たちだけやろうとしてもうまくいかないことがある。なぜなら、えてして「成果」や「形式」にこだわりすぎてしまい、小さくまとまってしまうからである。イベントを好循環させるには、主催者が明確な「評価眼」を持つことが不可欠であるが、それと同時に、地元に対する「愛着」や「遊び心」といったコミットメントの要素を持つことも必要である。

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公開日: 2019-12-27  

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