研究課題/領域番号 |
16K04062
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
山根 真理 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20242894)
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研究分担者 |
李 キョンウォン 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (90263425)
平井 晶子 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (30464259)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ケア / 生の基盤 / 日韓比較 |
研究実績の概要 |
2016年度は研究会の開催および韓国予備調査の実施、本研究に先行して日本で実施した「子育て・子育ち」に関する質問紙データに対応する韓国質問紙調査の実施を行った。 第1回研究会は2016年7月に新神戸で実施した。科研メンバーの問題意識を共有し、研究の焦点について議論した。第2回研究会は関連研究を行っている研究チームとの合同研究会として、2016年12月に刈谷市において公開研究会「『ケア・ジェンダー・生基盤』の現在」を開催した。日本における調査地域である愛知県の家族・ジェンダーの地域性を理解するため、名古屋大学の丹部宣彦氏をゲスト講師に招き「産業都市とジェンダー役割-豊田市における女性の社会活動参加とライフステージをめぐって-」というタイトルで講演をしていただいた。この研究会は「ケアと親密性」科研の共催を得、二つの科研メンバーによる研究報告と議論を行うことで、日本、韓国のケア状況を、中国、デンマークとの比較視点をもって理解する視座を得ることができた。 上記研究会を経て研究の焦点と方法をほぼ固め、2017年3月に韓国の研究協力者との研究打ち合わせおよび予備調査を行った。昌原市において呉貞玉氏(昌原文星大学校)と、大邱広域市において洪上旭氏(嶺南大学校)と打ち合わせを行い、2017年度に実施する韓国本調査の調査地(大邱広域市および周辺地域)および調査方法を決めた。あわせて昌原市の高齢者病院、大邱広域市の健康家庭支援センター、高齢者福祉施設、慶山市の多文化家族支援センターにおいて訪問聞き取り調査を行った。 インタビューデータを解釈する土台となる調査として、韓国昌原市において子育て期の親と祖父母を対象にする質問紙調査を実施し、母票254ケース、父票223ケース、祖父母票54ケースを回収した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2016年度の研究実施計画に示した通り、①先行研究の動向把握、②研究会の開催、③韓国における予備調査実施と高齢者ケア施設見学、ヒヤリング、④「子育て・子育ち」に関する日本で2013年に実施したデータに対応する韓国質問紙調査の実施を行うことができた。 これらの仕事を通して、2017年度以降に韓日両国で実施するインタビュー調査の対象と方法をほぼ確定することができた。その意味でも初年次の目標をほぼ実現することができ、まず順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2年次である2017年度は、計画通り、韓国における本調査を実施する。方法は、①30代後半~40歳前後、②60代前半~中盤の人々を対象にした半構造化インタビュ-、調査地域は大邱広域市である。いずれにおいても、属性のバリエーションを考慮して対象を決定する。調査時期としては2017年8月後半を予定している。 本調査実施時に、韓国における「生の基盤」にかかわる団体でのヒヤリングもあわせて行う。訪問先として想定されるのは、多文化支援にかかわる公的組織および民間団体、子どものケア、子育て支援にかかわる団体、高齢者ケアにかかわる公的機関、企業、民間団体である。 あわせて、2016年度に昌原市において実施した「子育て・子育ち」にかかわる質問紙調査をデータ化し、2013年に愛知県刈谷市において実施したデータとあわせたデータ・セットを完成し、分析、公表を行う。 上記の仕事を進めながら適宜、関連研究を行っている研究者と交流し、情報交換と相互研鑽をはかる。 2018年度は日本の本調査実施、2019年度は補充調査およびまとめおよび公表と、当初の計画に沿って研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が38,100円となった。第1回研究会を神戸で実施したこともあり、研究分担者の一人の旅費使途分が計画より若干少なく済んだからである。
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次年度使用額の使用計画 |
2017年度の本調査旅費、謝金等を補填する費用に充てる。
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