研究課題/領域番号 |
16K04062
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
山根 真理 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20242894)
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研究分担者 |
李 キョンウォン 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (90263425)
平井 晶子 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (30464259)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ケア / 生の基盤 / 日韓比較 |
研究実績の概要 |
2018年度は日本における本調査の実施(10月、3月)、韓国におけるヒヤリング調査(3月)、韓国における文献・資料調査(3月)および、本プロジェクトに関連する国際シンポジウムに参加し情報収集および研究・情報交流を行った(2月、3月)。 日本における本調査は愛知県名古屋市近郊部および西三河地域で実施した。対象者は2017年度の大邱広域市本調査と同様、「60代」および「40歳前後」の女性とし、2017年度に作成した日本版インタビュー・シートに沿って半構造化インタビューを行った。調査時期は2018年9月25~26日、2019年3月18日である。60代女性3名、40代女性4名のインタビュー協力を得た。9月の調査時には、子育て支援NPO「まめっこ」の運営する広場「遊モア」(柳原、上飯田)および南医療生活協同組合の見学およびヒヤリングもあわせて行い、地域で「ケア」を支える実践の動向の一端を把握した。収集したインタビューデータについて、音声書きおこし作業に着手した。 2019年3月の韓国調査では、大邱広域市庁および達西区健康家庭・多文化家族支援センターを訪問し、聞き取り調査を行った。最新の政策動向と家族支援実践の展開を知ることができ、2010年代前半以降の変化について考察することができて有益であった。3月にはあわせてソウル特別市の書店において、社会学、女性学、家族政策等に関する資料を収集した。 プロジェクトに関連するシンポジウムとして、「韓国と日本におけるひとり親家族支援と支援団体―現状とこれから」(2月19日、於ドーンセンター)「日韓の#Me Too運動を通じて性暴力根絶への道を探る」(3月16日、於ドーンセンター)に参加し、情報収集および情報・意見交流を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.2018年度の主要課題である「日本における本調査実施」を実施した。 2.3月の大邱広域市ヒヤリング調査において、最新の政策、家族支援実践の動向を知ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は本助成研究の最終年度である。最終年度には、韓国および日本における補充調査を行う。2017年度および2018年度の韓国、日本の本調査では女性を対象者に設定したが、同世代の男性にも対象者を広げ、半構造化インタビューを実施する。 2019年度には、韓国および日本のインタビューデータの分析・考察を進め、学会発表、論文等の形で公表を行うことが課題である。あわせて2012年度以降継続して実施してきている一連の日韓現代家族比較調査の総合的・立体的な分析・考察をすすめ、公開セミナー開催、学会発表、論文等の形で公表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、①研究分担者の休職による使途額の減少、②日本インタビューデータ書きおこし作業が完了せず2019年度に一部を残したこと、の二点である。 2019年度は代表者および研究分担者の計3名で補充調査等の研究を遂行する。またインタビュー書きおこし作業に謝金を適切に使用し、2019年度の補充調査データも含めデータ整理を完了する。 さらに学会発表、論文、研究成果を社会に還元する公開セミナー開催等の形での成果公表のために、次年度使用額も含め、有効に予算を使用する。
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