研究課題/領域番号 |
16K04073
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
野入 直美 琉球大学, 法文学部, 准教授 (90264465)
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研究分担者 |
高畑 幸 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (50382007)
永田 貴聖 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 外来研究員 (80551093)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | フィリピン結婚移民 / 島嶼 / 徳之島 |
研究実績の概要 |
徳之島調査については、2017年8月に予定していたところ、台風が調査予定日に徳之島に到来したため中止を余儀なくされた。徳之島班においては、調査の事前の準備として、伊仙町役場とやりとりし、少子化対策とフィリピン結婚移民支援の関連についての基礎情報を取得した。また、徳之島のフィリピン女性たちとメールで連絡を取り合い、生活情報を把握した。2017年11月3日には、同じく徳之島をフィールドとして人口減少と地域社会について研究している九州大学の研究チーム(代表・高野和良教授)と合同で研究会を行った。高畑幸、矢元貴美、野入直美が、2016年の徳之島調査からの知見を報告し、九州大学の研究チームのメンバーの皆さんから助言を得た。 済州島班は研究が順調に進捗し、永田貴聖が東亜大学で招待報告を行った。そこでは、主に、韓国の様々な地域において、フィリピン人移住者たちが行っているカトリック教会などにおけるフィリピン人グループの次女活動と自発的な活動に焦点を当て、そのような活動がフィリピン人だけでなく、フィリピン人に対して共感を持つ韓国人を巻き込みながら展開されていることについて検討した。 沖縄班は、松田良孝と野入直美が石垣島のカトリック教会を訪問し、新たに赴任したフィリピン人神父と面談して、情報を更新し、フィリピン結婚移民の女性たちが直面している課題についての聞き取りを行った。野入はフランスのエクス・マルセイユ大学で行われたシンポジウムにおいて沖縄の「混血児」調査について発表し、現状の報告に関連して沖縄におけるフィリピンルーツの若者たちについて言及した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査を予定していた日に台風が調査地に襲来したため、中止を余儀なくされた。調査対象は農家が多く、台風による農作物や施設への被害状況を鑑み、後片付けで多忙であることを配慮して、同年8月中に再調査を依頼することはご迷惑になると判断し、調査を次年度送りとした。
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今後の研究の推進方策 |
2017年度に予定していた伊仙町役場訪問と担当職員からの聞き取り調査、および、徳之島に在住するフィリピン結婚移民の女性たちからのインタビュー調査を実施する。タガログ語、英語による音声データを反訳し、日本語音声データを文字起こしして文字データ化を行い、分析と執筆、学会報告と論文の発表へとつなげていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年8月の徳之島調査が台風襲来のため中止を余儀なくされた。そのため、予定していた旅費、調査によって得られたデータを整理するための人件費などが未執行となった。2018年8月に徳之島調査を行い、2017年に予定していた伊仙町役場における少子化対策とフィリピン結婚移民支援施策についての聞き取りとフィリピン結婚移民女性のインタビュー調査を実施し、データ整理と分析を進める。
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