研究課題/領域番号 |
16K04074
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
渡久山 清美 琉球大学, 法文学部, 講師 (70533991)
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研究分担者 |
渡久山 幸功 琉球大学, グローバル教育支援機構, 非常勤講師 (20412869)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | Okinawa / U.S. newspapers / U.S. military / U.S. magazine / 在沖米軍基地 / 沖縄(人)表象 / 相互理解 / ポスト・コロニアリズム |
研究実績の概要 |
平成28年4月~8月は沖縄県内、特に琉球大学図書館での新聞・雑誌資料収集にあたった。また、沖縄県立公文書館のフライマス・コレクションにおける1994年から2000年の沖縄関連の米国新聞・雑誌記事の原紙の複写を行った。県内で収集できる資料が限られているため、その後、平成28年9月16日から28日まで、研究分担者1名とともに、米国ワシントンD.C.にあるジョージ・ワシントン大学付属図書館内グローバル・リソーシーズセンター、メリーランド大学付属図書館ならびに米国公文書館においてデータベース等を利用し、沖縄関連の米国主要新聞・雑誌記事や関連資料の調査・収集を行った。 これまで収集した資料の分析結果を "Representations of 'Okinawa' in Major U.S. Newspapers: A Focus on U.S. Military- related Issues in Okinawa (2012-2014)"として平成29年3月発行琉球大学法文学部人間科学科紀要『人間科学』第36号に掲載した。 2012~2014年の The Washington PostとThe New York Times の在沖米軍基地関連記事や社説において、沖縄に住む人々の声や沖縄の置かれてきた状況や歴史的背景に言及する報道が以前に比べ顕著になってきた事実を指摘した。しかし、米軍基地関連事件・事故や日米地位協定、思いやり予算、環境問題に関する報道は依然少なく、これらの問題に関して米国主要新聞読者に沖縄の実情を理解してもらうには、沖縄に関するさらなる歴史的、社会的背景事情や環境問題の詳述が求められるという結論に達した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
米国の図書館では新聞・雑誌の原紙やPDFの資料収集も予定していたが、必要な資料が膨大なことと、米国の大学図書館でのデータベースの切り替えの時期であったことから、異なる機関や大学付属図書館のデータベースによる資料収集を余儀なくされたこともあり、想定外の時間を要した。結果、米国におけるさらなるリサーチが必要な状況である。また、米国への出張中に予定していたジャーナリストへのインタビューが急な仕事の都合により実現できなかった。沖縄の米軍基地問題を取り巻く状況が緊迫化してきていることから慎重にインタビューを進めなければならない状況になってきている。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、沖縄県内の大学(琉球大学、沖縄国際大学、沖縄大学)の付属図書館、沖縄県立図書館、沖縄県立公文書館においてさらなる資料の収集を進めるとともに、インターネットや電子ジャーナル、Lexis.comなどのデータベースを利用し資料を収集する。不足している資料や原紙、論文等は、再度米国の大学付属図書館での資料収集を試みる。 資料収集と並行して平成28年度に収集した資料の整理、データベース化、分析を進め、論文発表に努める。米国の学会での口頭発表も予定している。加えて、30年度のシンポジウム開催の予定参加者である米国人や地元メディアのジャーナリストへのインタビューも試み、より実りのあるシンポジウムの開催を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度にジャーナリストへのインタビューを予定し、謝金を設定していたが、米国出張中のインタビューが、ジャーナリストの都合で実現しなかった。また、必要な英文研究図書が高額のため、購入図書を厳選しており、図書の購入が想定していたより進まなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は28年度の資料収集を米国で継続する。そして、ジャーナリストへのインタビューを国内外で再度計画し、実行に移せるようスケジュールを調整する。可能であれば、米国滞在中に必要な英文研究図書を購入するよう努め、計画的な図書購入を進める。
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