研究課題/領域番号 |
16K04076
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
堀篭 義裕 岩手県立大学, 総合政策学部, 准教授 (00305335)
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研究分担者 |
阿部 晃士 山形大学, 人文学部, 教授 (50305314)
茅野 恒秀 信州大学, 学術研究院人文科学系, 准教授 (70583540)
平井 勇介 岩手県立大学, 総合政策学部, 講師 (60757524)
金澤 悠介 岩手県立大学, 総合政策学部, 講師 (60572196)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | コミュニティの分断 / 復興感の格差 |
研究実績の概要 |
平成27年度までに実施した大船渡市民を対象とする量的調査のデータ分析については、3回の追跡調査のデータ用いて生活復興感の変化のパターンを分析し、その結果を平成28年10月9日の第89回日本社会学会大会において発表した。本分析を通じて、今後の調査の課題として、生活復興感の低下が見られる層が抱える課題の探求など、横断調査や質的調査を併用しながら、住民意識の変化の背景に関する複眼的な実態の把握が必要であることを確認した。 また、質的調査については、これまでの量的調査の自由回答の内容から選んだ個人等に対する聞き取り調査を開始し、復興過程におけるコミュニティの分断の状況を把握するための質的調査の主たる対象地区の絞り込みを進めつつある。今年度の調査結果については、平成29年3月10日の第3回東日本大震災研究交流会において発表を行った。 なお、平成28年12月に実施を予定していた無作為抽出された市民1500人を対象とする第3次横断調査については、平成28年9月に実施した大船渡市役所との意見交換の結果を踏まえ、調査の実施を平成29年度に延期することとした。その理由は、同市役所おいて平成28年8月に市民約6000人を対象とする復興の進捗状況把握に関する意識調査を実施しており、3-4万人程度の人口規模の地域においてテーマが類似する1500人規模の調査を時間的に近いタイミングで行うことは、市民の方々に負担をかけることにつながると判断したためである。 当初予定していた内容のうち、調査対象地の事情により第3次横断調査については実施を延期することとしたものの、これまで実施した量的調査のデータ分析と、復興過程におけるコミュニティの分断の状況を把握するための質的調査への着手を通じて、今後の研究において復興感の格差や住民の分断を招く要因を検討するための基礎的な知見を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまで実施した量的調査のデータ分析と、復興過程におけるコミュニティの分断の状況を把握するための質的調査については、概ね当初予定通りに実施することができた。しかし、第3次横断調査については調査対象地の事情により実施を延期することとなり、空間(地域)の軸から復興感の格差や住民の分断を招く要因を検討することが十分できなかったためである。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度に実施を延期した第3次横断調査については、平成29年10月に実施する方針である。また、昨年度から開始した質的調査については今年度も随時継続し、第4回パネル調査についても予定通り実施する方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査対象地の事情により、平成28年12月に予定していた第3次横断調査の実施を見送ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に実施を見送った第3次横断調査を平成29年10月に実施し、次年度使用額の分を使用する計画である。なお、平成29年度は研究計画調書に記載の内容を予定通りに実施する方針であり、平成29年度分として請求した助成金は当初予定通りに執行する計画である。
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