本研究では,日本全国を1㎞四方の区域に区分し,その区域ごとに人口量などのデータを整理したメッシュデータにもとづいて,都市とよべる人口集中地区を行政区画とは独立に設定することを試みた.その結果,2010年時点で全国118の都市地域を区分することに成功した.そのうえで中長期にわたるそれぞれの都市の人口の推移を確認した.その結果,バブル崩壊以降の日本の都市においては,全国レベルにおける太平洋ベルト地帯への集中と,地方ごとでの大都市地域への集中という二重の意味での集中が進んでいること,および1990年代以降それまで拡大を続けていた東京などの大都市周辺都市の人口が停滞し始めていることが明らかになった.
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