• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

東海地方における外国人労働者の「逆転現象」~ブラジル人からフィリピン人へ

研究課題

研究課題/領域番号 16K04082
研究機関静岡県立大学

研究代表者

高畑 幸  静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (50382007)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードフィリピン日系人 / 集住 / 共生 / 外国人の教育 / 水産加工
研究実績の概要

本研究の3年目となる2018年度は、日本国内の調査地(静岡県焼津市、静岡県浜松市浜北区、愛知県蒲郡市、三重県松阪市、岐阜県可児市)のうち焼津市と浜北区を中心に、フィリピン日系人の労働と生活に関する質的調査を継続しすると同時に研究成果の公表を進めた。
特に、静岡県焼津市におけるフィリピン日系人の集住のありかたと生活および労働の課題については、地域住民および受入れ企業の協力を得てさらに研究を進めることができた。
研究成果の公表を積極的に行った。2018年9月、日本都市社会学会年報掲載の査読付成果発表は以下のとおりである。焼津市におけるブラジルおよびフィリピン出身の日系人の競合/協力関係については、2019年2月、論集書籍『地方発 外国人住民との地域づくり―多文化共生の現場から―』を分担執筆し成果を発表することができた。2018年12月の移民政策学会冬季大会においては、シンポジウム「さかなと外国人―和食を支える日系人・技能実習生・留学生」を同学会と本科研の共催として行い、漁業および水産加工業の外国人労働者について研究代表者を含む3人の報告を得て議論を行った。
また、本科研に関して2019年度に論文刊行1件、国際学会報告1件を予定しており、それに向けて準備を進めている。
しかし、研究代表者の学務上および家庭の事情から、愛知県蒲郡市、三重県松阪市、岐阜県可児市での調査実施が困難となったため、助成期間を1年延長して2019年度においてこれら3都市での調査を実施することとした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

主要調査地である静岡県焼津市および浜松市浜北区においては、日系人労働者の受入れ企業へのヒアリングや地域での学習支援活動などを通じた日系人家族の生活実態の把握を進めることができた。
しかし、全体的な進捗状況には遅れがみられる。研究代表者が学内業務および家族の事情(主に子の養育)で非常に多忙となり、宿泊を伴う出張による調査活動が困難となった。当初、調査地を東海地方の4市1区(松阪市、蒲郡市、可児市、焼津市、浜松市浜北区)としていたが、上記の理由により勤務先の近隣地である焼津市での調査はできたものの、それ以外の都市での調査が滞っている。この点を2019年度にカバーしたい。

今後の研究の推進方策

2019年度は、昨年度実施予定であった都市間比較研究を進める。そのため、愛知県蒲郡市、三重県松阪市、岐阜県可児市において現地調査を進める予定である。いずれも自動車関連の工場でフィリピン日系人の雇用が多い。調査地である4市1区のなかで静岡県焼津市のみが水産加工業が基幹産業であり、他は自動車関連産業で外国人が働いている。このような産業特性の違いが、フィリピン日系人の来日ルート、集住のありかた、生活課題、子どもたちの学校への適応に影響を与えているか否かを明らかにしたい。同時に、特定技能や技能実習等、他の在留資格を持つ外国人労働者と日系人労働者との競合についても検討したい。

次年度使用額が生じた理由

今年度、研究代表者が学内業務および家族の事情(主に子の養育)で非常に多忙となり、宿泊を伴う出張による調査活動が困難となった。当初、調査地を東海地方の4市1区(松阪市、蒲郡市、可児市、焼津市、浜松市浜北区)としていたが、上記の理由により勤務先の近隣地である焼津市での調査はできたものの、それ以外の都市での調査が滞っており、そのため次年度使用額が生じている。2019年度は家庭の事情による多忙さが緩和されたため、本助成金を利用して、三重県松阪市、愛知県蒲郡市、岐阜県可児市での調査研究を進め、その成果報告につとめたいと考えている。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 「東海地方における移住労働者のエスニシティ構成の『逆転現象』―静岡県焼津市の水産加工労働者の事例―」2018

    • 著者名/発表者名
      高畑幸
    • 雑誌名

      『日本都市社会学会年報』

      巻: 36 ページ: 147-163

    • 査読あり
  • [学会発表] 「静岡県焼津市の水産加工業で働くフィリピン日系人―雇用と移住のプロセスを中心に」2018

    • 著者名/発表者名
      高畑幸
    • 学会等名
      移民政策学会2018年冬季大会 シンポジウム「さかなと外国人」
  • [学会発表] "Gendered Migration of Filipinos to Japan and its Consequences, 1987-2018"2018

    • 著者名/発表者名
      Sachi Takahata
    • 学会等名
      The 5th International Symposium on Transnational Migration and Qiaoxiang Studies
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] "Wives, Children and Nikkei's: Filipinos Coming to Japan based on the Attributions"2018

    • 著者名/発表者名
      Sachi Takahata
    • 学会等名
      World Social Science Forum 2018, invited panel "Current Situation of Social Inclusion for Immigrants"
    • 国際学会
  • [学会発表] "Japanese Policy on Children with a Migrant Background: An Overview"2018

    • 著者名/発表者名
      Sachi Takahata
    • 学会等名
      International Conference: Children with a Migrant Background of Korea
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 「EPA介護福祉士の職場定着要因の分析ーフィリピン人介護労働者の追跡調査から」2018

    • 著者名/発表者名
      高畑幸
    • 学会等名
      日本移民学会・第28回年次大会
  • [図書] 『地方発 外国人住民との地域づくり―多文化共生の現場から―』(担当:82-96頁「静岡県焼津市におけるブラジル人とフィリピン人―教育的課題を中心に―」)2018

    • 著者名/発表者名
      徳田剛・二階堂裕子・魁生由美子編著
    • 総ページ数
      230
    • 出版者
      晃洋書房
    • ISBN
      978-4-7710-3149-4
  • [図書] 『産業構造の変化と外国人労働者』(担当:66-82頁「介護の専門職化と外国人労働者―日系人から結婚移民、介護福祉士まで」)2018

    • 著者名/発表者名
      駒井洋監修、津崎克彦編著
    • 総ページ数
      304
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      978-4750346854
  • [図書] Thinking Beyond the State: Migration, Integration, Citizenship in Japan and the Philippines (担当:255-280頁 "Migrant Women in a Big City Entertainment Area: What Have Filipino Women Changed in Sakae-Higashi Area, Naka Ward, Nagoya City, 2002-2016?")2018

    • 著者名/発表者名
      Johanna ZULUETA (ed.)
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      Manila: De La Salle University Press
    • ISBN
      978-971-555-656-9

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi