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本研究は、言語の社会的分析を行なうクリティカル・ディスコース分析（CDA)の手法を用いて、社会問題を取り扱ったテレビニュースを分析し、社会問題に関わる現代社会の考え方の枠組み（イデオロギー）が、日本の公共放送・民間放送の日々のニュースや週末の報道番組のニュースによって、どのように構築されているかを解明することを目指したものである。
平成30年度は、研究の第3段階として、平成28年度に行なった日々のテレビ報道の分析結果と、平成29年度に行なった週末のテレビ報道の分析結果を比較検討をすることで、テレビニュースのディスコースの言語的要素と非言語的要素がどのように相互作用することで、特定の考え方を作り出しているかをより詳細に検討した。
分析・検討の結果、社会問題に関する日々のテレビニュースおよび週末の報道番組において、出来事のある部分が重要なものとして扱われる一方で、他の部分が重要でないものとして扱われたり、ニュースに登場する様々な立場の人たちの特定の側面が強調される一方で別の側面が存在しないかのように扱われたり、特定の出来事の原因や結果が一面的に取り扱われるといったことが組み合わされ、相互作用することで、特定の考え方が構築されていくことが明らかになった。本研究によって、さまざまなニュース報道の中で、ニュースの始めに設定されたテーマや問いに答える形でニュースが進行し、さまざまな出来事が取り扱われながらも、最終的には、一つの特定の方向性を持つ考え方が確定していく仕組みを明らかにすることができた。
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