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2018 年度 実施状況報告書

犯罪報道におけるジェンダー問題に関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K04090
研究機関宮崎公立大学

研究代表者

戸高 由美 (四方由美)  宮崎公立大学, 人文学部, 教授 (10316200)

研究分担者 北出 真紀恵  東海学園大学, 人文学部, 教授 (10410862)
大谷 奈緒子  東洋大学, 社会学部, 教授 (50364716)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードジェンダー / 犯罪報道 / 共起ネットワーク分析
研究実績の概要

平成30年度は、3回の研究会と1回の勉強会を開催し、研究メンバー全体で議論、確認の上、研究を進めた。
まず、インターネット調査「マスコミ報道についての意識調査」を5月24日から5月28日にかけて実施した。この調査は、㈱サーベイリサーチセンターに業務委託を行い、調査会社マクロミルのウェブサイト上においてマクロミルにモニター登録している首都圏50キロ圏内在住の20歳以上79歳以下の男女合計1000人を対象にしたものである。調査項目は、「メディア接触」「基本属性」「犯罪報道に対する認識と被害経験」「マスコミやインターネットに対する意見」に加え、女性が関わる事件の報道評価を尋ねる項目として「殺人事件の報道についての意見」「幼児虐待事件についての意見」「性犯罪事件についての意見」などから構成した。この調査の成果の一部は、「受け手による犯罪報道への評価」(東洋大学社会学部紀要第56ー2号)に発表した。
また、週刊誌の犯罪報道を対象に共起ネットワーク分析を行い、犯罪事件の報道における女性被害者および関係者の伝えられ方について、その特徴を導出した。これは平成29年度に行った新聞の犯罪報道を対象とした共起ネットワーク分析に続くもので、媒体による特徴の違いおよび共通点を見出す目的で行ったものである。この成果は、「犯罪報道の共起ネットワーク分析(2)」(宮崎公立大学人文学部紀要第26巻)に発表した。
加えて、報道の伝え手(送り手)のインタビュー調査に着手した。朝日新聞社の社会部記者である河原理子氏を勉強会に招き、この20年とりわけ近年の性犯罪等について当事者に配慮した報道の在り方が報道現場にどのように浸透しているかについて、現況をご教示いただいた。平成31年度に実施するインタビュー調査に反映させる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度から行っている犯罪事件の報道を対象とした共起ネットワーク分析を平成30年度も実施し、引き続き成果を論文として発表した。
また、実施が遅れていたインタネット調査「マスコミ報道についての意識調査」を実施し、その成果の一部について論文による発表を行った。
送り手インタビュー調査については、現場の記者である河原理子氏を勉強会に招き、近年の報道現場における記者のモラルや共有事項についてご教示いただき、平成31年度の調査実施に向けて調査デザインを構築、準備を行った。

今後の研究の推進方策

最終年度の平成31年度は、送り手インタビュー調査を実施し、その成果を公表する。また、これまで行ってきた犯罪事件の報道分析、受け手調査の結果について未発表のデータをまとめ、公表する。これまでの研究成果を踏まえて、報道内容分析(テクスト)-受け手調査(オーディエンス)- 繰り手インタビュー調査(プロダクション)の3側面から近年の犯罪報道の課題をジェンダーの観点から考察し、本研究のまとめとしたい。

次年度使用額が生じた理由

平成29年度に予定していたインターネット調査「マスコミ報道についての意識調査」は、調査項目の中に例示する事件の選定が困難であったため平成30年度に実施した(具体的な事件を例示しない方法で実施)。そのため、全体の研究計画が後ろ倒しとなり予算の執行に遅れが生じた。これにより、平成30年度に実施予定であった送り手インタビュー調査も遅れ、予算(インタビュー交通費、謝金等)を次年度に繰り越すこととなった。平成31年度に、これを実施し使用する計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] 犯罪報道の共起ネットワーク分析(2)2019

    • 著者名/発表者名
      四方由美・大谷奈緒子・北出真紀恵・小川祐喜子・福田朋実
    • 雑誌名

      宮崎公立大学人文学部紀要

      巻: 26 ページ: 79-92

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 受け手による犯罪報道への評価2019

    • 著者名/発表者名
      大谷奈緒子・四方由美・北出真紀恵・小川祐喜子・福田朋実
    • 雑誌名

      東洋大学社会学部紀要

      巻: 56-2 ページ: 125-136

    • オープンアクセス

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公開日: 2019-12-27  

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