研究課題/領域番号 |
16K04090
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研究機関 | 宮崎公立大学 |
研究代表者 |
戸高 由美 (四方由美) 宮崎公立大学, 人文学部, 教授 (10316200)
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研究分担者 |
北出 真紀恵 東海学園大学, 人文学部, 教授 (10410862)
大谷 奈緒子 東洋大学, 社会学部, 教授 (50364716)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 犯罪報道 / 報道評価 / 犯罪不安 |
研究実績の概要 |
2020年度は、これまでの研究成果の一部を、次の2つの論文として公表した。 第一に、2018年5月に行った「マスコミ報道についての意識調査」の結果を分析・考察し、論文「受け手による犯罪報道への評価(4)」として発表した。人びとの犯罪への不安感にメディア利用がどのように関与しているか、培養分析を試みたものである。人々の犯罪不安感と実際の被害の状況にはズレが確認され、その原因として属性などメディア以外の要因も挙げられるが、新聞、テレビ、インターネットニュースのいずれのメディアでも、犯罪の項目によっては、利用時間が長くなるにしたがって不安感が強くなることが確認された。 第二に、2019年度から行っているメディアの送り手へのインタビュー調査の結果について分析・高考察を行い、現段階までのものを論文「送り手たちの犯罪報道をめぐる予備的考察ー犯罪報道の『問題』と送り手たちの現在」として発表した。これまでインタビューを行った新聞社(全国紙)、テレビ局(在京局)の報道の送り手たちは皆、「ネット社会における犯罪報道」「犯罪報道とSNSとのかかわり」について、看過できないテーマとして言及している。ネット社会における情報発信の危険性が言及されたのは、2010年代後半からの特徴である。また、「被害者の実名報道」についてもガイドラインに従えばよいというような単純なものではなく、ジェンダーの問題を含め非常にセンシティブな問題をはらんでいることを指摘した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度も2019年度より行っているインタビュー調査を継続して行ったが、コロナ禍において、インタビュー対象であるメディア関係者(報道の担い手)、とりわけ判断する立場にある人が多忙、あるいは予定が定まらない等の理由から、予定していた通りに進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
現在でもコロナウイルス感染拡大状況は変わっておらず、前項で記述した2020年度と同様の課題はあるが、テレビ会議方式などの方法を採用し、できる限り研究を進めて最終年度としてまとめを行うこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍において、インタビュー調査が予定通りに進まなかったことにより、通信運搬費、謝金、テープ起こし費用が一部執行できなかった。また、研究補助費についても、学内への立ち入りに制限(オンライン授業)があったことにより執行できなかった。2021年度においては、方法を工夫するなどして、研究を遂行したい。
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