研究課題/領域番号 |
16K04092
|
研究機関 | 尚絅学院大学 |
研究代表者 |
内田 龍史 尚絅学院大学, 総合人間科学部, 教授 (60515394)
|
研究分担者 |
妻木 進吾 龍谷大学, 経営学部, 准教授 (60514883)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 差別 / レイシズム / 部落問題 / 部落差別 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、世界的に生じている新しいレイシズムの日本的現実を把握するために、近年生じている部落差別を事例としてとりあげ、その内実とそれに対抗する際に直面する諸問題を、当該地域の文脈に即して全国的に明らかにすることである。具体的には、部落解放運動が継続的に取り組まれてきた地域において、同和対策に関する特別措置法期限切れ後に焦点化し、1部落差別事象・2部落問題意識・3部落の生活環境・4部落解放運動・5行政施策の5点について、その変化と現状を明らかにすることである。かかる検討によって、現代社会における今後の部落差別問題研究の参照軸を作成するとともに、新しいレイシズムに対抗するための諸条件を探究している。 本年度は、都府県単位での現地訪問調査を開始し、現状把握に務めるとともに、それらの成果の一部として、学会・論文発表を行うことができた。1部落差別事象・2部落問題意識・4部落解放運動については、滋賀県・福井県・和歌山県・鳥取県・福島県・山形県・宮城県・兵庫県・奈良県・長野県・神奈川県・大阪府・広島県・新潟県・鹿児島県・熊本県の状況について、現地訪問調査を行った。2部落問題意識・3部落の生活環境・5行政施策については、部落問題に関する調査の実施状況や、部落問題に関する施策の実施状況に関する情報収集を行った。また、新しいレイシズムの視点からの部落問題の現状に関する学会報告を行った。さらに、部落問題意識については、近年の部落問題意識の状況をまとめ、新たな調査のあり方を提言する論文を発表することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2016年度、本科学研究費研究をすすめていこうとするおり、部落差別解消推進法案が与党議員による議員立法で提出される動きが出てきたため、現地調査については法案の成立を見守ることとした。結果、2016年12月に部落差別解消推進法が成立したこともあり、法律の運用も含めて、2017年度以降に本格的な現地調査を実施することにした。今年度も現地調査を実施したが、その遅れのために、研究年度を来年度いっぱいまでに延長することにした。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は延長年度となるため、残された地域の現地調査を実施し、把握した調査データに基づく各府県のモノグラフを作成するとともに、その成果をまとめ、 発表することを目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 2016年度、部落差別解消推進法の成立を見守り、インテンシブな現地調査を実施できなかったため、2017年度以降に本格的に調査を実施するための旅費として持ち越しており、2019年度も現地調査を実行するため。 (使用計画) 現地調査の旅費として使用する予定である。
|