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2018 年度 実施状況報告書

日本と台湾の油症被害者の受容克服過程と救済制度、環境運動の比較環境社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K04109
研究機関立正大学

研究代表者

堀田 恭子  立正大学, 文学部, 教授 (20325674)

研究分担者 宇田 和子  高崎経済大学, 地域政策学部, 准教授 (90733551)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード油症 / カネミ油症 / 健康実態調査 / 二次分析 / 食品公害
研究実績の概要

今年度は日台の油症患者に対する量的調査を実施する予定であった。しかし、調査実施のためのラポール作りと調査票設計が進まなかったため、特に日本での厚労省実施の油症患者に対する健康実態調査の検証作業に焦点をあてた。2013年以降、毎年「健康実態調査」が実施され、厚労省HPでは結果報告が概要とともにダウンロードできるようになっている。素データが提示されており二次分析が可能である。今回はまずは6年分の調査票とその結果を収集しどのように調査票と回答内容は変化していったのかを調べた。
調査実施時期は2013年のみ6月から7月下旬まで設定され、それ以外は4月から6月末の3ヶ月間であった。また調査対象者は2014年をピークに微減傾向にあった。調査項目に関しては2015年以降、油症検診に関する項目と相談体制に関する項目が増えていたが全体的に身体的症状に関する項目が主であった。それ以外には油症券の使用状況や油症検診受診の有無等があった。2015年を境に項目が増加したが、その理由に関しては政策関係の資料、支援者運動の実態、訴訟等の状況など多様な要因を調べることが必要である。
回収率は2014年に87.0%に落ちこむが2017年のデータでは89.7%と過去最高の数字であった。健康・悩み・ストレスを中心とした回答に関しては被害構造をとらえる上で注目すべき項目であり、より詳細な分析が今後必要である。最後に自由回答だが、常に多い項目が「治療法への要望」と「行政への要望」であった。これらの項目を数字で表すことができるよう調査票設計をすることで政策へ直結する調査票となる。
まだ本作業は途中だが、今後実施予定の調査票設計に活かせること、油症患者の被害の実態を間接的に明らかにできることが本研究の意義である。その意味において二次分析ではあるが厚労省健康実態調査検証作業は社会学的調査票設計のためにも重要な作業である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

そもそも厚労省実施の油症患者に対する健康実態調査の二次分析に時間がかかったことと、検証作業において政策や全国的に広がってきた被害者・支援者運動等の資料収集に時間がかかってしまった。そのため台湾油症のQOL調査との比較までいかず調査票設計まではできなかった。

今後の研究の推進方策

まずは厚生労働省の健康実態調査の二次分析を終わらせ、調査票とその結果の分析結果をまとめる。そのための政策資料収集・被害者運動の動き・支援者運動の動き等、幅広く資料を収集して、時系列的相互関係を分析していく。その上で、台湾油症のQOL調査の調査結果と調査票等の比較研究を実施する。

次年度使用額が生じた理由

次年度は、今年度の厚労省の健康実態調査分析をまずは終わらせ、調査票設計のために日本と台湾の関係者に助言をあおぐため、旅費を計上した。また台湾での通訳や資料収集などの経費も計上した。

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公開日: 2019-12-27  

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