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2018 年度 実施状況報告書

日本人検閲者とGHQの言論統制

研究課題

研究課題/領域番号 16K04110
研究機関早稲田大学

研究代表者

山本 武利  早稲田大学, 政治経済学術院, 名誉教授 (30098412)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードGHQ / CCD / 占領軍 / メディア / プレスコード / 発行禁止 / 検閲
研究実績の概要

今年度は日本各地とくに長野、広島、三重、奈良、京都、愛知の資料館、検閲関係者、専門家訪問などを行って、過年度からの調査を補完した。しかし東北、四国、九州での調査の時間が足りなかったので、次年度送りとなる。
また蓄積資料のコピーなどのため、ファイル、USBなどの文具を購入した。戦中、戦前の資料とくに図書を古書市場などで購入するほか、資料館で撮影、複写を繰り返した。
研究成果は主宰するNPO法人インテリジェンス研究所の諜報研究会で随時報告し、研究仲間との情報交換を行った。研究報告のレジュメを当研究所のホームページに掲載すると各地の仲間から研究情報が送られてくる。それらの研究情報には示唆に富むものが多い。研究者ネットワークの拡充を図るために、昨年度末に特別研究委員を任命し、東京で随時研究会を開催した。さらに新聞、テレビの記者の協力を得て、全国に散在する検閲者の所在をしり、新情報を確保できた。
占領期の1945年から1949年のGHQの検閲はCCD(民間検閲局)になされ、私の発見資料から検閲者の数は約7千名もに達したが、そのうち存命の方は数パーセントにすぎない。しかもCCD資料はローマ字でしか記載されていないため、その漢字名を確定するのは容易でない。それでも300名ほどの実名を確認きたのは大きな成果である。
これら資料はいずれも断片的であるが、適宜、研究発見されたものはパソコンに入力しているので、最終年度にはかなりしっかりした実績報告ができるだろう。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

一番の難関で、研究を遅らせているのは、当時の検閲体験者の存命率が低いことである。
彼等にようやく辿り着き、インタビューを行っても、記憶が怪しいものが少なくない。
また記憶力の高い人でも自己の体験を語らない人も多い。なぜなら他人の手紙を旧敵国のために開封したという点を恥じているからである。

今後の研究の推進方策

ファイル化した膨大な資料群の関連性を解明できれば、研究は最終段階に入るであろう。
『占領期検閲者の分析』(仮題)は今年度中に出版にこぎつけたい。

次年度使用額が生じた理由

検閲者のインタビュー回数が予想よりも少なかったため

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 日本側ラジオ傍受機関の戦中・戦後2019

    • 著者名/発表者名
      山本武利
    • 雑誌名

      Intelligence

      巻: 19号 ページ: 16-37

    • 査読あり

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公開日: 2019-12-27  

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