補助事業1年延長期間の2019年度は、函館市椴法華地区での補充調査の実施と、道内の郷土資料等の補充を行いながら、これまでの調査研究成果の最終的な取り纏めを行った。 補充調査は、インターネット上で公開されている函館市椴法華地域審議会の会議録に懸念される地域課題の記載があったため、函館市椴法華支所と審議会時の発言者である地域住民を訪問し、会議録から具体的に把握することのできない課題の内容について確認を行った。課題は空き家における外部移住希望者の手続きに関するものであり、背景には急速な人口減少をもたらした編入合併と行政組織の再編に伴う手続きなどが絡んでいた。加えて、合併から15年が経過し、2019年度が最終年度となる地域審議会のこれまでの運営のあり方や方法を地域住民の立場から回顧的に問う内容であった。 郷土資料の補充は、これまでに入手できなかった函館市の映像型歴史資料と、隣接の非合併自治体の非合併の顛末に関する資料ならびに財政資料の収集を行った。あわせて、報告書の取り纏めを行う上で参照する2015年国勢調査などの詳細な統計資料を収集した。 研究成果の取り纏めについては、2011年度以降取り組んできた調査研究を踏まえた上で、本研究課題の研究初年度であった2016年度以降の聴き取り調査やアンケート調査のすべての結果を整理し、過去に発表した研究論文を新たに得られた知見に基づいて加筆修正するとともに、未発表分として書き下ろしたものを追加して報告書の作成に取り組んだ。
|