研究課題/領域番号 |
16K04116
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
小黒 純 同志社大学, 社会学部, 教授 (00388167)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ドキュメンタリー / テレビ / 番組制作 |
研究実績の概要 |
当初の計画通りに、社会派ドキュメンタリー制作者に対する聞き取り調査を行った。本調査は本研究の土台となる、必要にして不可欠のものである。聞き取りの精度を高めるため、研究代表者の小黒のほか、研究協力者として、西村秀樹氏(近畿大学客員教授)と、辻一郎氏(大手前大学評議員)とともにチームで調査に当たった。 具体的には、「端緒」→「企画」→「調査・取材」→「編集」→「完成・放送」→「視聴者の反応」→「社会へのインパクト」という一連の過程を、作品ごとにていねいに確認、記録していった。証言記録(オーラルヒストリー)の形にするための、一次資料を作り上げていくというプロセスである。 本調査に協力いただいたのは以下の方々である。日程と場所も示す。4月、長崎市、村上雅道氏(元熊本放送、長崎公立大学教授)。7月、札幌市、後藤篤志氏(元北海道放送)、溝口博史氏(北海道放送専務)。7月、東京都千代田区、岸本達也氏(元静岡放送)。7月、名古屋市、阿武野勝彦氏(東海テレビ)。9月、那覇市、三上智恵氏(元琉球朝日放送)。9月、東京都中央区、右田千代氏(NHK)。11月、岡山市、原憲一氏(山陽放送)、曽根英二氏(元山陽放送)。11月、大阪府吹田市、里見繁氏(元毎日放送、関西大学教授)。12月、山口県周南市、佐々木聡氏(山口放送)。3月、東京都港区、七沢潔氏(NHK放送文化センター)。 2016年度に行った聞き取り調査分も含め、研究協力者の田中京子氏(元朝日新聞記者)によって、いわゆるテープ起こし作業も進めている。こうした研究の成果の一部として、9月に近畿大学で開かれた日本オーラル・ヒストリー学会において、「テレビの社会派ドキュメンタリーの成立過程の研究~南海放送『X年後』伊東英朗ディレクターへの聞き書きを中心に」と題し、研究発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
聞き取り調査は予定していた全員について、年度内に完了することができた。インタビューにご協力いただいた方々は前述の通りである。また、中間的な研究発表として、2017年9月に近畿大学で開かれた日本オーラル・ヒストリー学会で、成果の一部を報告し、会員との間で意見交換することができた。以上のことから、「おおむね順調に進展している」と言える。 これと併行して、田中京子氏(前述)の協力を得て、いわゆるテープ起こし(文字起こし)の作業を進めている。しかしながら、聞き取り調査をまず終えることを重視したため、全員についてのテキスト化は終えておらず、2018年度に持ち越しとなっている。
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今後の研究の推進方策 |
前述の通り、聞き取り調査は終えることができており、後は第一に、一次資料となる、全員についてのテープ起こしを完了させる。幸い、かなりの完成度のテキストが仕上がってきているが、オーラルヒストリーとして成果を公表するためには、どのようなスタイルにするのか、本文にどの程度の注(脚注)を付けるのかなどを再検討し、完成させていく、というプロセスが残されている。その過程においては、インタビュー対象者による原稿の点検作業も含まれている。多忙な方々にチェックをお願いするため、ある程度の日数を要すると見込んでいる。 こうした研究成果は、日本オーラル・ヒストリー学会などの学会において発表し、批判を受けながら、さらに質を高めるとともに、出版物としての発刊を視野に入れ、可能であれば年度内の出版化を図りたい。 また、その中には、10人を超える制作者の証言から、どのような共通点した課題があるのかや、どのような将来的発展があり得るのかなど、総合的な学術的検討が盛り込まれなければならない。西村氏、辻氏ら研究協力者の協力を得つつ、研究代表者の小黒がとりまとめることになる。 以上のような明確な目標を定め、研究成果を確実なものとしたい。
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