• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

心理主義化と自己実現:生の感情労働化とグローバル人材の誕生

研究課題

研究課題/領域番号 16K04119
研究機関立命館大学

研究代表者

崎山 治男  立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (20361553)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2022-03-31
キーワード感情労働 / 心理主義化
研究実績の概要

本研究では、「グローバル人材」・「人間力」などが問われる現代社会において保持されるべきスキルへの煽りと、それらが既存の求められるべき人材像との違いとの言説分析を試みた。また同時にそれを実証すべく、情報通信産業への質的調査を試みた。
前者に関しては、さまざまな人材像への煽りが、自らの感情マネージメントや振る舞いに再帰的であるようにあおる心理主義的な言説に支えられてることを指摘した。また同時に、その点において既存の人材像との違いはなく、自己の振る舞いに再帰的であることをあおる点で共通点があることを指摘した。
後者に関しては、情報通信産業の実態についての文献収集と分析、またそこでの感情労働のAIによる代替可能性の実像と将来像についての研究を試みた。その中では情報通信産業におけるコールセンター業務の多くがAIによって支えられていることを明らかにした。また同時に、代替とまではいかないけれども比較的単純な応答等の業務はAIに駆逐されつつあることについて理解を深めた。労働のAIによる代替という問題は、感情労働に留まらずひろく労働がヒトに対して持つ意味を変容させるものであり、何がヒトの手に残されるのかを通して、広くヒトや社会の本質を再考する課題であるとの手応えを得た。
不十分であった点は、コロナ禍という状況の中で、必ずしも実際に質的調査を十分に行えなかったことである。この点については、コロナの状況にもよるが次年度以降取り組みたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

概要にも記したが、具体的な実査までたどり着けなかった点のみが不足していると判断したため。

今後の研究の推進方策

コロナ禍の状況にもよるが、可能な限りでの実査に取り組みたい。

次年度使用額が生じた理由

コロナ感染拡大のため、所属機関より出張の自粛要請等がでていたこともあり、本年度に予定していた情報通信産業へのパイロット調査並びに実際にコールセンター業務に携わる労働者、あるいは本部の管理企画部門への質的調査を十分に行う体制が整わなかった。
次年度は、本年度の繰越金その他を活用して、これらの課題に取り組みたい。

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi