本研究は、地域コミュニティの人びとによるコモンズ空間との付きあい方の分析をとおして、その政策的な可能性を検討することを課題としてきた。その遂行にあたり、まずは地域コミュニティの人びと、すなわち生活者の立場に立つことの現在的意義を検討した。そのうえで、河川敷の事例研究から、生活者にとってコモンズ空間が保持してきた通時的な性格を明らかにした。とともに、干潟の開発をめぐる事例研究から、その時々の条件におうじて人びとがどのように生活の必要を取捨選択してきたのかという、その判断や納得をふまえた地域管理政策が必要であることを見いだした。
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