研究課題/領域番号 |
16K04129
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研究機関 | 天理大学 |
研究代表者 |
澤井 志保 天理大学, 国際学部, 講師 (40636453)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 社会資本 / 起業 / 価値 / ジェンダー役割 |
研究実績の概要 |
平成29年度の作業の大枠は、平成28年度末に行った質問票調査の結果をデータにまとめ、集中的にキーワード分析を行うことで、議論をまとめる上での鍵概念を抽出しようと試みたことである。上半期においては、平成28年度の調査分析結果を特定のキーワードによって学術的議論としてドラフトにまとめる作業をおこなった。8月には、インドネシアのガジャ・マダ大学人文科学学部大学院言語文化研究科にて公開講座を担当し、11月には、日本社会学会研究大会にて中間報告として発表を行った。しかし、これらの公開講座と学会発表にて日本、インドネシア両国の研究者や学生から得たコメントなどを検討したところ、現時点のデータではまとまった議論を進めるのにまだ不十分であり、来年度の研究完了までに、いくつかの補足データが必要になることがわかった。従って、平成29年度年度末までの間、次年度に行う追加調査においてどのようなデータを収集するべきかについて再度検討を加え、追加調査用の質問プロトコル案を作成した。また、追加調査の研究手法についても再検討し、これまでのやり方に若干の修正を施した。このように次年度で行う作業の修正の道筋をつけた上で、データは完全ではないものの、手持ちのデータで見えてきた議論の流れを仮題での論文ドラフトとして作成し、次年度中に加筆修正した上で学術誌投稿ができる状態にした。これにより、次年度の限られた時間で、追加調査とほぼ同時に論文投稿に取り組めるように環境を整えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は可能なかぎり、日本社会学会で行った学術発表内容をもとに研究ノート等をまとめたいと考えていたが、学術発表後にデータを追加することが必要なことに気づいたため、仮題でのドラフトを作成するにとどまった。結果として、研究成果の出版という面では若干の遅れが出ているが、これは想定内の範囲であり、またここでさらに追加調査をすることで、さらに新しい概念の発見に結び付く可能性もあり、前年度の1次調査結果をさらに深めるという意味では順調に進捗しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度年初から2-3か月かけて、追加調査の質問プロトコルを完成させる。その上で8月―9月に追加調査を実施し、補うべきデータを取得した上で、再度キーワード分析を行い、最終的な調査結果のまとめに入る予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度途中にて、次年度に追加調査の実施が不可避だと気づいたため、できる限り次年度に十分な追加調査費用を確保できるように、29年度中の支出を抑えるように努めた。
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