研究実績の概要 |
令和元年は、前頭葉機能に加えて、頭頂葉の機能と下部尿路症状の関連性を明らかにすることを目的に調査を行った。 令和元年6月から11月の間に、男性11名・女性28名の合計39名を対象に調査を行った。調査内容は、下部尿路症状に関するアンケート調査(国際前立腺症状スコア)及び、スクリーニング検査(MMSE,Barthel Index)および遂行機能検査(言語流暢性課題、Trail making test、Stroop color-word test、Frontal Assessment Batteryのうちの葛藤指示とGO/NO-GO 、Behavioural Assessment of the Dysexecutive Syndrome:BADSのうちの修正6要素検査)、頭頂葉機能検査(時計描写検査、山口キツネ・ハト模倣テスト)、生活機能調査として、Self-care rating for dementia,extended(SCR-DE):更衣を行った。 分析方法は、国際前立腺スコアの点数から軽症群と重症群に群別して比較を行った。対象者は、軽症群16名、重症群23名であった。軽症群は男性4名、女性12名、年齢の平均±標準偏差は82.5±6.1歳、バーセルインデックスの平均±標準偏差は95.9±4.3点であった。一方重症群は、男性7名、女性16名で、年齢の平均±標準偏差は85.2±4.3歳、バーセルインデックスの平均±標準偏差は95.7±4.8点であった。各検査の結果について、両群間の差をMann Whitney U test で検定した結果、言語流暢性課題カテゴリー合計(p<0.05)、トレイルメーキングテストB(p<0.05)、ストループ文字読み課題(p<0.05)において有意差が認められた。頭頂葉検査およびセルフケア(更衣)については有意差を認めなかった。
|