研究課題/領域番号 |
16K04167
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研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
藤田 久美 山口県立大学, 社会福祉学部, 教授 (40364129)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 障害児支援者 / コンピテンシー / 専門性 / 支援者養成 / 児童発達支援センター / 幼児期 |
研究実績の概要 |
近年、子育て支援システムに包含される障害児支援の場として児童発達支援センターの役割が明確になっている。その一方、児童発達支援センターの支援者の専門性の確立が不十分であることも指摘されている(平野・納富2010,藤田2014)。専門性を明確にするためにコンピテンシーは有効であると捉えられ、企業の人材育成で導入されている。専門分野での導入も試みられているが障害児支援分野は未開発である。そこで、児童発達支援センターの支援者養成に導入するコンピテンシーモデルの開発をめざし、児童発達支援センター支援者を支援観及び支援の実際から、児童発達支援センター支援者の能力・資質、行動、特性等の分析を行い、コンピテンシー項目の検討や概念の作成を試みることとした。 研究方法はフォーカスグループディスカッションを援用したグループワーク方式(研究Ⅰ)と参与観察(研究Ⅱ)の質的研究を選択した。 研究Ⅰの結果からは、コンピテンシーとして「子ども理解」「障害理解」「家族理解」「福祉サービス理解」「コミュニケーション力」「連携力」「子どもへの支援技術」「省察力」「企画力」「社会人基礎力」に整理し、概念を作成できた。研究Ⅱの結果からは、「子ども理解」「障害理解」「家族理解」「子どもへの支援技術」「家族への支援技術」「感性」「感受性」「発想力」「企画力」「柔軟性」「倫理観」「省察力」「コミュニケーション力」「チーム力」が整理され、概念を形成した。これらの結果からコンピテンシー項目の構成概念と質問項目を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
児童発達支援センターの支援の実際から、幼児期の障害児支援に携わる支援者の専門性、コンピテンシーの要素を導き出し、コンピテンシーアセスメントシートの試案が完成した。今年度、量的調査もあわせて実施する予定であったが、質的調査の2通り実施し、コンピテンシーモデル案やコンピテンシーアセスメントシートの試案を作成できたため、量的調査を行っていないことが理由である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、作成したコンピテンシーアセスメントシート(試案)について、項目を精査するため、児童発達支援センターの管理者へのアンケート調査や研究協力者(児童発達支援センターの支援者)にコンピテンシーアセスメントの導入を行う予定である。また、今年度実施できなかった児童発達支援センターを利用する家族への量的調査を実施したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査の準備のため封筒を購入したが、当初予定していたものより安価で購入できたためである。次年度使用額300円は、次年度の研究に繰り越す予定です。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、障害児支援者のコンピテンシー項目の信頼性・妥当性を検証するために量的調査を実施するため、郵送費に補充したいと考えている。
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