研究実績の概要 |
幼児期の障害児支援に携わる支援者のコンピテンシーモデルの開発に向けた研究として作成したコンピテンシーアセスメント項目(5領域145項目)の各項目(5領域145項目)の評価をもとに信頼性を検討した。作成したコンピテンシーアセスメント項目についてα係数を求めたところ、「関心意欲態度(24項目)」は0,932、「社会人基礎力(33項目)は0,952、「知識(27項目」0,945「技術(36項目)」は0,969、「実践と省察(22項目)」は0,943と高値が得られ、高い信頼性が確認された。次に、各項目を4択で求めた回答を「思わない、思う」の2カテゴリーに分類して分析を行った。信頼性の検討するために、各領域別にクロンバックα係数を算出した。また、各領域の総合的評価を行うために、各領域別に主成分分析を行い、尺度の統合を図った。その結果、5領域すべてで、各項目における第一成分の主成分負荷量が0.3を超えており、第一主成分得点は、各領域を反映する総合評価(コンピテンシー獲得度)として利用可能であると判断された。解釈を容易にするために、各領域のコンピテンシー獲得度は50を平均とした偏差値に換算して示すこととした。職位、経験年数とコンピテンシーの獲得との関連をみるために、年齢と性を調整した共分散分析を用い、一次線形trend検定を行った。 その結果、児童発達支援に携わる支援者のコンテピンシーが職位や経験年数と関連があることが明らかになった。検討結果をもとに、児童発達支援に携わる支援者のコンピテンシーモデルを「初期キャリア3年以内のコンピテンシーモデル」と「キャリア3年以上のコンピテンシーモデル」を提案した。これらの研究成果をもとに、幼児期の障害児支援に携わる支援者のキャリア形成やキャリアを形成するための専門家養成、人材養成にかかわる研究を継続していく予定である。
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