研究課題/領域番号 |
16K04181
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研究機関 | 聖徳大学 |
研究代表者 |
赤羽 克子 聖徳大学, 心理・福祉学部, 教授 (90369398)
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研究分担者 |
高尾 公矢 聖徳大学, 心理・福祉学部, 教授 (50167483)
佐藤 可奈 聖徳大学, 心理・福祉学部, 講師 (90595894)
宇佐美 尋子 聖徳大学, 心理・福祉学部, 講師 (30581962)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 介護労働 / 施設介護 / 介護ストレス / 介護離職 / 介護人材確保 |
研究実績の概要 |
わが国は高齢化に伴って介護離職が深刻化しており、年間約10万人が家族の介護を理由に仕事を辞めている現実がある。一方、介護職員の離職が後を絶たず、介護職員の確保が喫緊の課題となっている。2025年には、介護職員が2012年度の149万人(推計値)を大幅に上回る237~249万人程度必要とされている。介護職員の離職は、重労働、低賃金、イメージの悪さ等の要因が指摘されてきたが、介護職員のストレスと就労継続の意思との関連についての研究はこれまで十分解明されてこなかった。介護職員が離職しない環境づくりが、家族の介護のための離職を防ぐことにつながるといえる。本研究は、介護職員のストレスと就労継続の意思との関連を解明し、介護職員の離職防止策を提言することを目的としたものである。 平成29年度は施設系の「介護老人福祉施設の介護職員」と「介護老人保健施設の介護職員」のストレスと就労継続の意思との関連を明らかにするための介護職員の効力感、介護職員のストレス反応尺度、コーピング尺度を作成して質問紙調査(量的調査)を実施し666人から回答を得た。回収率は80.2%であった。施設系の「介護老人福祉施設の介護職員」「介護老人保健施設の介護職員」の職場環境、地域別、個人的要因、組織的なストレス反応の違い、就労継続の意思を統計的手法によって比較分析を行った。その結果、従来介護職の離職問題を考える場合、低賃金・身体的及び精神的理由・職場の人間関係等が主な原因とされてきたが、現在の介護施設では認知症の利用者の比率が高く、介護職員は利用者やその家族から暴言・暴力を受ける場合が少なくなく、新たな対応を迫られている。そのことが介護職員の「ストレス」を増幅させ、離職の原因の一つになっていると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は施設系の「介護老人福祉施設の介護職員」と「介護老人保健施設の介護職員」のストレスと就労継続の意思との関連を明らかにするための介護職員の効力感、介護職員のストレス反応尺度、コーピング尺度を作成した質問紙調査(量的調査)票を発送し、80.2%の回収率が得られた。回収後、直ちに統計的に分析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、施設系の「介護老人福祉施設の介護職員」「介護老人保健施設の介護職員」と訪問系の「訪問介護事業所の介護職員」の職場環境、地域別、個人的要因、組織的なストレス反応の違い、就労継続の意思を統計的手法によって比較分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度研究費の繰越金は45,092円発生した。これは質問紙調査票配布・回収を効率的に行ったことによる。平成30年度は全国規模での訪問調査を予定しており、60千円では不足する可能性がある。平成29年度の繰越金と合算し調査費に充当する。
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