研究課題/領域番号 |
16K04183
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
角田 ますみ 杏林大学, 保健学部, 准教授 (40381412)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 介護倫理 / 倫理教育 / 生命倫理 / 高齢者福祉 / 社会福祉 / 介護福祉士 |
研究実績の概要 |
全国の福祉系大学の介護福祉士養成課程における倫理関連の設置状況を把握するために、シラバス調査を行い、収集したデータを分析した。その結果、どの養成課程でも科目名に「倫理」を含む科目が配置されていたが、選択科目が大半であり必ずしも学生が履修するとは限らないこと、低学年配置であること、講義内容が基礎的知識の伝授にとどまっていることなどから、現場における具体的な倫理問題への対処までは習得することが難しい現状が明らかになった。と同時に多くの大学で、介護系専門科目において倫理的内容を扱う傾向にあり、基礎教養としての倫理関連科目との二本立てにより、基礎と実践の教育的相乗効果が期待された。この結果を論文化した(「シラバスからみる大学における介護福祉士養成課程の倫理教育」生命倫理26(1)、35-45、2016) 次に、現場で働く介護福祉士が、どのような倫理の基礎教育や現任教育を受けており、倫理的問題の認識や対処はどのようなものかを把握するために、全国介護老人保健施設協会に登録されている施設から無作為抽出した200施設に勤務する介護福祉士1000人に対し、質問紙調査を行った。(有効回答数494部、回収率49.3%)。その結果、現場で多く見られる倫理的問題として、言葉や態度など援助者の行為自体が倫理的問題となるもの、また利用者に合わせたケアや生活援助ができていないことが挙げられ、排泄、入浴、食事などの三大介護場面で倫理的問題が多く生じていることなどが明らかになった。倫理教育については、スタッフの価値観の共有、援助行為の振り返りと質の向上、利用者の個別性への理解に役立つとし、内容としては基礎的知識の伝授にとどまらず、現場の具体的な問題の判断や解決方法に関するものが望まれており、介護現場で生じる倫理的問題についてのさらなる集約とそれに応じた具体的な倫理教育内容の充実が重要であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ計画通りに進行しており、2つ目の調査についての論文を投稿したばかりである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は介護現場の倫理的問題の状況をもう少し詳細に検討して、現任教育における倫理研修のあり方について考えていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本来、もう一つ海外学会に参加する予定であったが、業務上調整が難しくなってしまったため、取りやめた経緯があるため旅費を使いきれていなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の研究発表の旅費として支出する予定である。
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