研究課題/領域番号 |
16K04185
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
伊藤 冨士江 上智大学, 総合人間科学部, 教授 (00258328)
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研究分担者 |
大岡 由佳 武庫川女子大学短期大学部, 心理・人間関係学科, 准教授 (10469364)
大塚 淳子 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 教授 (50770418)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 犯罪被害 / 被害者支援 / 多機関連携 / ソーシャルワーク / ケアマネジメント |
研究実績の概要 |
犯罪被害者支援におけるケアマネジメント・モデルの構築という本研究の目的にそって、2018年度は、2017年に実施した「犯罪被害者等支援のための多機関連携に関する調査」について、回答データの分析を行った。調査対象となったのは、全国の警察・犯罪被害者支援室、民間被害者支援団体、地方自治体・被害者対応窓口、医療機関、女性センター、自動車事故対策機構の担当者で計335名より回答が得られた(回収率:36.5 %)。 分析の結果、各機関・団体における被害者支援の現状、多機関連携の実態と課題等が明らかになった。とくに多機関連携においてケアマネジメントの発想やコーディネーター的な存在が必要であることが示された。 調査結果は①回答者の属性(全体・所属機関別)、②支援過程(対応が多い被害事案、支援各プロセスの実施度)、③連携がうまく行った事例(好連携事例の被害内容、支援開始までの経過期間、支援開始の経緯、好連携事例における連携先・情報共有の仕方・方針会議の有無・支援の形・支援過程の評価)、④支援担当者としての視点(連携の定義、連携上の困難、社会的に求められる役割)、⑤被害者支援における倫理的視点の有無について、必要な統計分析や質的分析を行った。報告書刊行に向けて回答データから図表を作成し分かりやすくまとめた。 また、上記調査の結果を学術論文として発表したほか、結果を踏まえた形で世界被害者学会、日本社会福祉学会、日本司法福祉学会、日本精神保健福祉学会、日本心理学会の大会において口頭発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由 「犯罪被害者等支援のための多機関連携に関する調査」の結果について分析し一定の結果をまとめ、被害者支援に関わる学会等で分析結果の概要を報告できた。 予定していた報告書作成までには至らなかったので、次年度に行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は「犯罪被害者等支援のための多機関連携に関する調査」の回答結果について総合的にまとめ、提言も含めて報告書を刊行する。報告書は調査に協力いただいた機関・団体をはじめ被害者支援にかかわる関係機関に送付し、WEB上でも公開する予定である。 また、調査結果に基づいた多機関連携体制(ケアマネジメント・モデル)を普及させるため、実務家・研究者等を対象にした研修会を開催する。参加者からフィードバックを得て、被害者支援における多機関連携体制を発展させるための具体的方策を探る。 さらに被害者支援とソーシャルワークとの関連についても研究を進展させたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度は調査結果の分析を担当している研究分担者が産前・産後の休暇に入ったため、結果分析が滞り報告書作成まで至らなかった。
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