研究課題/領域番号 |
16K04186
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研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
新保 祐光 大正大学, 人間学部, 准教授 (90513432)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 地域包括ケアシステム / 合意形成 / 価値システム / インタビュー |
研究実績の概要 |
文献研究に関しては、近年医学・看護の領域で意思決定に関わる文献が多く出版されている。それらの先行研究は、基本的には本人の意思決定に焦点が当てられており、それらのレビューをおこなったうえで、意思決定とチームケアを前提とする合意形成のありかたについて検討した。この2つの違いと関連性を図として示し、文章に求める段階となっている。 調査については、現在2つの調査を進めている。一つは合意形成に影響する価値システムを明らかにするためのインタビュー調査である。29年度に研究チームで集まり、プレ調査を2事例おこなったうえでインタビューガイドを作成できた。このインタビューガイドに基づき、研究代表者は研究倫理審査申請をおこない承諾された。ただし研究協力者の所属機関でも研究倫理審査申請をおこなう必要があったため申請をおこない承諾を得た。倫理審査申請が終わったので、インタビューのアポイントを取り始めているところである。 もう一つの調査は、合意形成場面で必要とされる、または阻害となる要因の検討のための事例研究である。こちらは、合意形成がうまくいかなかった事例の聞き取りを、ソーシャルワーカー、当事者(当事者側はグループインタビュー)双方から聞き取りをおこなった。グループインタビューは分析、記述が終わっているが、ソーシャルワーカー側はまだ手つかずであるので、早めに分析し、それらを併せて合意形成に配慮すべき要因についてまとめたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究チームのなかで、インタビューガイドの作成が思った以上に時間がかかった。これは、研究の意図は共有できていたが、価値システムをインタビューで他者に聞くということが、抽象的で、具体的に実践しにくいためである。ただし、研究メンバーにインタビューもお願いをするため、このプロセス無くしては適切なインタビューが出来ない。そのためこの遅れは、研究の制度を担保するためにも必要な時間だったと考える。
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今後の研究の推進方策 |
遅れを取り戻すべく準備を進めてはいる。調査票もできあがり、倫理審査請求も承認され、徐々に準備は出来ているので、インタビュー調査、分析等をまずは進めていきたい。また、医療分野における意思決定に関する先行研究も増えて来たので、学会参加や書籍などを積極的に集め、最新の研究の到達点について再度評価し直したい。ただし遅れを取り戻すことは簡単ではないので、研究協力者を増やすべくすでに行動を始めている。増やす予定の研究者は、過去に同じようなテーマでの実績があり、かつともに研究をしたことがある人にお願いを始めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビューガイドの決定が遅れたため、インタビューが行えなかった。そのため、データの逐語化のための委託費が使用できていない。また、研究の中間報告をするための学会発表も、現段階ではまとめが終わっていなかったので出来ていない。そのための予算の執行が行えていない。30年度は、31年度学会報告するための準備として、月1度の研究メンバーのミーティングのための会議費、インタビュー調査のための旅費、インタビューデーターを逐語にするための委託費、資料の整理、共有のための各種消耗品等の購入をおこなう。
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