はじめに、限界集落と呼ばれる極端に高齢化した地域において、10年間の縦断的な繰り返し横断調査を実施し、その変化を測定した点に意義がある。 次に、地域住民のパワー、住民同士の支え合い、社会的孤立、サポート期待、永住希望等々を、全戸訪問により調査した点である。また、限界集落はサンプルも小規模で、分析に十分ではないこともある。本研究では、繰り返しの調査で、変数間の関連の分析に十分なデータを確保することができた点で学術的に意義がある。 我が国の高齢化率はより高まり、各地域には多くの限界集落が生み出される可能性が高い。本調査はその先端を担い、限界集落における持続可能な生活を検討する意味で社会的な意義がある。
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