研究課題/領域番号 |
16K04209
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研究機関 | 長野大学 |
研究代表者 |
越田 明子 長野大学, 社会福祉学部, 教授 (70352458)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 地域包括ケアシステム / 福祉的ニーズ / 基礎自治体による福祉運営 / 生活支援ハウス運営事業 / 市町村福祉政策 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、地域包括ケアシステムの枠組みにおいて、介護保険等の一般施策がうまく対応しない住民の福祉的ニーズに対する基礎自治体の独自性と役割について明らかにすることである。 これまで自治体独自の福祉施策である生活支援ハウス運営事業に着目し、基礎自治体の取り組みの中でその独自性と役割について確認する作業を続けてきた。A県調査や公文書等の資料研究では、1990年代以降の福祉政策の変遷過程において、介護保険などの一般施策が及ばない地域がそれらの代替や受け皿としてこの事業を導入し、実情に応じ様々な意図をもって運用してきたことが明らかになっている。しかし当該事業は法令に規定されていないため、実態については調査対象となった特定地域の報告にとどまり、全国の運営自治体がこの事業を通じてどのように実情に応じた独自性ある取り組みをしてきたのかについての実証的研究はほとんどない。 したがって本研究においては、全国の運営自治体を対象とする質問紙調査(量的調査)を実施し、まずは実態を把握することを試みてきた。2017年度末には回収率80%と多くの自治体の協力を得ることができ、各市町村担当者らが他自治体の運営状況について強い関心をもっていることも明らかになった。 一方、この事業を運営する自治体の特徴からも、全国の中でも小規模自治体や市町村合併で運営にかかる条例等を変更している自治体など、特別な背景をもつ地域での取り組みが多いことがあらためて明らかになった。また自治体の独自性と役割も多様にうかがえ、いくつかの課題に直面することになった。このため回収票のデータクリーニングをはじめ、多様な事例や自由記述の解釈、データ分析に時間を要し、現在は、当初計画よりも期間を延長して研究をすすめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究遂行にあたり、全国の当該独自事業を運営する自治体を対象とする質問紙調査(量的調査)において全国80%弱の自治体に協力を得て、多様な取り組み情報を得ることができた。 一方、地域実情に応じた独自の取り組みを試みる自治体の特徴として、全国の中でも特別な背景をもつ自治体が多いことが明確になった。社会資源の少ない小規模自治体や市町村合併により運営目的等を変更した自治体も多く含まれる。このため多様な事例や自由記述の解釈、データ分析に時間を要してきた。 研究協力を得て順調に遂行しているが課題について留意しながら分析をすすめる必要があり、当初計画の期間を延長して研究を遂行することとした。
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今後の研究の推進方策 |
今後は次の作業をすすめる。 1.前年度に引き続き、全国質問紙調査(量的調査)の結果について分析をすすめる。2.質問紙調査を通して得た新たな知見に関連して、該当自治体の協力を得ながら訪問調査(質的調査)を実施する。3.調査の分析結果をふまえ、論文として成果を公開する。4.調査の協力自治体へ結果を報告し、次の進展につなげる。
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次年度使用額が生じた理由 |
質問紙調査(量的調査)の集計や分析に時間を費やしており、その多くに研究費は発生していない。 当初計画にあげた、訪問調査(質的調査)や結果の公開、協力自治体への報告書作成および発送にかかる費用については、質問紙調査の結果がある程度公開できるようになってから生じる研究費である。 したがって、これらについて、最終年度へ繰り越して使用することとした。
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