研究課題/領域番号 |
16K04220
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研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
栗山 直子 追手門学院大学, 社会学部, 准教授 (70368570)
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研究分担者 |
細井 雅代 追手門学院大学, 経済学部, 准教授 (90368407) [辞退]
才村 純 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (70510155) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 子ども虐待 / 祖父母 / 代替養育 / 世代間交流 / ノンジャッジメンタル / 多文化 |
研究実績の概要 |
2016年度はNZのCYFでの子ども虐待支援、CYFでファミリーグループカンファレンスが実施されるようになった歴史的経緯について文献調査、2016年8/9-8/16(6泊8日)の日程で現地調査を行なった。 現地調査では、①CYFスタッフ5名へのヒアリングと②ファミリーグループカンファレンス一日研修会への参加、③祖父母の経済状況を把握するためMinistry of social development work and income(Winz) 、Inland revenue(IRD),Citizen Advice Bureau(CAB)での資料収集と④Ministry of social development work and income(Winz)スタッフへのヒアリング、⑤GRC(Grandparents Raising GrandChildren)への視察と⑥マネージャーDiane Vivianne氏、スタッフに対し、祖父母に対する現在の支援の状況と団体の課題についてヒアリングを行った。また⑦シャクティというアジア移民系の母子シェルターに訪問し、施設長にヒアリングを行った。⑧2016年11月には調査協力者が孫を代替養育する祖父母宅での住み込みの10日間の参与観察を行い実際の日常生活に潜入した。 開放的な家族政策を実現しているNZでの子ども虐待支援の現状と課題について、虐待とDVを一本化し「ファミリーバイオレンス」として包括的な支援について、また近代家族イデオロギーはNZにも存在しているがそれを意識化し、どのようにオーバーカムしているのかを調査することに勤めた。とくにCYFでのソーシャルワーカーの資質として「ノンジャッジメンタル」な姿勢が現場で求められていること、そしてその取り組みを我が国においても導入する必要性があることを提言する方向で進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
work and incomeスタッフから祖父母への生活経済面でのアンケート調査は毎年社会保障制度が変更されるため、できれば後半に実施したほうがいいとの助言があり、今年度に先送りしている。そのほかは2016年度に予定していたGRGへのヒアリング調査、母子シェルター訪問、祖父母宅での10日間の参与観察など概ね完了している。そのうえ、2017年度に予定していたCYFへのヒアリングなども終了している。計画当初30年に予定していた学会発表についても29年度に中間発表として一部行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は経済生活面の質問項目のみでなく、虐待を受けた児童が祖父母に代替養育されることで健康面にどのようなプラスの効果があるのかという内容を加えて、GRGでのアンケート調査を9月ごろに実施する予定である。学会での報告としては2017年度に日本社会福祉学会、日本世代間交流学会での中間発表を予定している。また学会誌において論文を投稿する予定にしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2016年度で予定していたGRGの祖父母へのアンケート調査が未着手であり、2017年度には当初の経済面、生活面での質問項目に加え、子どもの健康面の変化についても調査を行う予定である。またCYFでのノンジャッジメンタルの現場での普及と侵透についてさらに我が国で導入に向けて具体的な調査をしたいと考えている。
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次年度使用額の使用計画 |
“Grandparent as Parent” サポートグループミーティング見学し、Family Works Trust訪問、カンタベリー大学社会福祉学部Yvonne Crichton-Hill教授へのヒアリング、Cholmondel(入所型子ども支援施設)施設見学と Shane Murdoch施設長にインタビュー、 WINZならびにIRD事務所、カウンシルサービスセンター 他での資料収集を行う。9月にはGRGでの祖父母へのアンケート調査を実施する予定である。またCYFにも再度調査を行う予定である。
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