研究課題/領域番号 |
16K04220
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研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
栗山 直子 追手門学院大学, 経済学部, 准教授 (70368570)
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研究分担者 |
細井 雅代 追手門学院大学, 経済学部, 教授 (90368407) [辞退]
栗原 武志 熊本学園大学, 社会福祉学部, 准教授 (40435318) [辞退]
才村 純 東京通信大学, 人間福祉学部, 教授 (70510155)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 子ども福祉 / 被虐待児 / 祖父母 / 親族ネットワーク / 代替養育 |
研究実績の概要 |
ニュージーランド(以下、NZ)では、祖父母による虐待児への代替養育が増加しており、その現状と課題を分析し、我が国に応用可能な祖父母による虐待児支援の持続的な方法を提示し、我が国の虐待予防と虐待児に対する安定的な生活の保障に役立てることを目的として調査研究を行ってきた。本研究はNZの児童虐待防止と発生後の支援について、祖父母による代替養育にフォーカスを当てた実態調査である。具体的には、①NZの親族里親の実態および生活課題、公的な経済支援を明らかにするための聞き取り調査・留め置き調査、参与観察調査、②被虐待児への継続的な支援システムとそれを可能にする専門機関(オランガタマリキ、警察、プランケット、母子シェルター、各NPO団体)がいかに連携しているか、その支援プロセスを明らかにするための各機関へのフィールド調査、スタッフへの聞き取り調査、文献調査である。 本研究から、NZの子ども福祉の原点には、多様な家族への理解およびマオリのキンシップネットワーク文化への理解があり、それを可能にする専門職者に求められる資質として、「ノンジャッジメンタルな思考力」があることがわかった。また子ども虐待防止、ファミリーバイオレンス防止に関する啓発活動が「It's not Ok」キャンペーンとして一本化されて行われていた。 これからの被虐待児支援には、家族というミクロな視点を超えて、親族サポートネットワークというメゾ、環境というマクロな視点という多層的な視点を持って子どもを支援していくことが必要である。さらに家族の多様性を認めつつ、子ども自身の持つ人的資源を掘り起こし、さらにそれを継続的な見守りネットワークとして育てていくことで、本当の意味での子どものウェルビーイングを保障する。
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