研究課題/領域番号 |
16K04223
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研究機関 | 滋慶医療科学大学院大学 |
研究代表者 |
小野セレスタ 摩耶 滋慶医療科学大学院大学, 医療管理学研究科, 准教授 (80566729)
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研究分担者 |
木村 容子 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (00352948)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 子ども家庭福祉 / 社会福祉関係 / 計画評価 / 利用者評価 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、子ども・子育て支援事業計画および次世代育成支援行動計画記載事業の利用者評価を自治体で定着させるための、1)利用者評価ツールおよび評価方法の改良を行い、2)定期的かつ計画的に利用者評価を実施できる体制の構築をし、さらに、3)評価の結果を上記計画の進捗状況の確認および評価に活用し、利用者評価をPDCAサイクルに組み込む仕組みを作ることである。 地域子ども・子育て支援は、乳幼児期から学齢期に至る子育て家庭にとって不可欠なものであるが、最も身近な利用者の手によって実施される利用者評価が充分に行われ、市町村レベルでひろく定着しているとは言い難い。そこで、本研究では自治体が安定した利用者評価が行える評価体制の構築および、PDCAサイクルに利用者評価結果を活かす仕組みを作り、その普及を目指す。 2018年度は利用者評価実施状況並びに実施体制等に関する実態調査の実施に向けての準備のために、1)A県内のすべての自治体の子ども・子育て支援事業計画の内容調査、2)利用者評価に関する文献研究、3)実態調査実施に向けた質問紙の作成を行った。 1)では、進行管理体制の明記、PDCAサイクルに関する表記、評価指標、利用者への評価調査の実施有無等を明らかにした。利用者への評価調査を行っている自治体はまだ多くないものの、丁寧な調査を行っている例も見られた。しかしながら多くは自治体が計画策定時に量の見込みの把握のためや計画の中間見直しのためにニーズ調査を実施するにとどまっていた。2)では、国内の利用者評価に関する研究の実施数は本研究開始時から大きく増えていないことが明らかとなった。3)では、1)及び2)の結果等より質問紙案を作成した。2019年度は質問紙案を完成させて実態調査を行うことで現状を詳細に把握し、利用者評価をPDCAサイクルに組み込む仕組みづくりにつながるよう研究を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2018年度は実態調査を実施する予定であったが、質問紙案を作成するにとどまった。その理由は大きく2つある。一つは、2018年度は子ども・子育て支援事業計画の中間見直し(以下、中間見直し)に向けた量の見込み把握のためにニーズ調査(以下、ニーズ調査)等を地域住民に対して実施する自治体が多く、子ども・子育て支援事業計画担当の部課の業務が一段と煩雑な年度であるため、調査協力を得にくい可能性があると判断したこと、もう一つは、中間見直しに向けて、自治体によってはニーズ調査以外に利用者に対して何らかの評価調査を実施している可能性もあると考えられ、その実態も含めて把握すべきと判断したことである。以上から、2019年度に実態調査を行う方がより実態を明らかにしやすいと考えた。A県内の子ども・子育て支援事業計画については状況を調査するなど、事前準備を行っていることから、2019年度は速やかに実態調査を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、2018年度作成した質問紙案をもとに、速やかに利用者評価実施・評価ツール・評価体制に関する実態調査を実施する。実態調査データを分析し、その結果から評価実施体制の構築、利用者評価結果の活用体制の構築に向けた具体的な検討を行っていく。利用者評価ツールの改良についても、実態調査結果を活用し研究進捗の効率化を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)育児休業を取得して後、研究の進捗が遅れており、研究費用を多く見積もっていた実態調査を2018年度に実施していないことが最も大きな理由である。また、実態調査後は必要に応じて自治体にヒアリング等にもいくため旅費を計上しているが、実態調査を終えていないため使用することができていない。 (今後の使用計画)育児休業取得のため、研究期間を2020年度まで延長した。そのため今後2年間で使用可能と考えている。2019年度は実態調査を行うことで、物品費、人件費、その他に計上されている額を使用することができる。実態調査にかかる費用によっては、人件費として見積もっている予算の一部を実態調査に使用することも検討している。本研究においてはまずは実態調査を行い、利用者評価の実態を明らかにすることが重要と考えているため、そこに注視しながら計画的に使用していく予定である。
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