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2020 年度 実施状況報告書

大学における死生観教育プログラムの開発的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K04228
研究機関関西学院大学

研究代表者

藤井 美和  関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (20330392)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2022-03-31
キーワード死生観 / Death Education / プログラム開発 / 効果測定
研究実績の概要

今年度の研究計画は、新型コロナウィルス感染拡大により遂行不可能となった。当初の研究計画「プログラム開発のためのリサーチ」(平成28年度)、「プログラム作成」(平成29年度)までは順調に経過したが、平成30年度(3年目)は、「平成30年西日本豪雨(暴風警報発令)」のための休講措置によりプログラムが途中終了となった。研究計画を延長し、令和2年度に最終プログラムを実施する予定であったが、4月の「緊急事態宣言」発出により、再び計画の遂行が不可能となった。令和2年度は研究を継続することができなかったが、これまでの分析から得た知見を基に、論文やシンポジウムなどで死生学教育について発信した。具体的には以下の通りである。中京企業研究では、コロナ禍で主張される「いのちか経済か」に焦点を当て、2項対立的な人間理解においては生きる意味や働く意味が見いだせず、死生観に基づく実存的な生き方によって意味を見出すことが可能であることを主張した。日本透析医学会(基調講演)では、透析患者のQOLは死生観に大きく影響され、それら死生観を構成する領域(実存的領域/スピリチュアリティ)が患者の身体的評価を超えて、全体的QOLに影響を与えている(人生を受け止める死生観のあり方が、長期透析導入患者の人生を豊かにしている)ことを議論した。これは緩和ケアにおいても同様、ソーシャルワーカーのような対人援助職者は、実際的なケアの必要性のみならず、自身の死生観に目を向けなければ、死に向き合う人のスピリチュアルペインは理解できないことを強調した。また死生懇話会においては、死生観の背後にある「価値」に注目し、生きること死ぬことの選択は、個人の価値観によるところが大きいものの、個人の価値観は常に社会から影響されていること、社会の価値観は、個人の多数の価値観の表れであることを主張した。新聞各社、報道でも取り上げられ大きな反響を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

令和2年度は、これまでのプログラムの分析から、①改定プログラムを開発し、②プログラムを実施、③効果測定による分析を予定した。しかしながら、令和2年4月に新型コロナ感染拡大防止のため「緊急事態宣言」が発出され、大学での死生学プログラムは実施することが不可能となり、計画そのものの遂行を断念した。延長申請を行い、令和3年度を計画の最終年度とすることが承認された状況にある。

今後の研究の推進方策

令和3年度は、これまでの分析を基に、①リモートでの実施が可能なプログラムを新たに開発し、②プログラムを実施、③効果測定による分析を予定している。これまで教室での対面授業を中心に開発されてきたプログラムについては、リモートで実施可能なものと、不可能なものを区別し、対面でしか実施できない部分をどのようにリモート授業で提供することができるか考える。それを踏まえて新しく改定されたプログラムについて、効果測定を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

令和2年4月に新型コロナ感染拡大防止のため「緊急事態宣言」が発出された。これにより大学での授業は通常の形で行うことができなくなり、スケジュールを大幅に変更することを余儀なくされた。そのため、予定していた研究計画(改定プログラムの作成・実施)のすべてが不可能となり、それに伴う研究支出はなかった。令和3年度には、2年度に予定されていたプログラムを用いず、新たにコロナ禍に対応したリモート用プログラムを作成、実施し、効果測定を行い分析する予定である。そのために必要な機器(ハードウェア各種)、リモートアンケートソフトウェア、分析プログラム、データ保存のための諸費用として残額のすべてを使用する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 4件)

  • [雑誌論文] 「死ぬこと、生きること、働くこと:死を見つめることを通して働くことを考える」2020

    • 著者名/発表者名
      藤井美和
    • 雑誌名

      中京企業研究

      巻: 42(1) ページ: 213-224

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 死生をめぐる価値2021

    • 著者名/発表者名
      藤井美和
    • 学会等名
      第1回 死生懇話会 滋賀県総合企画部
    • 招待講演
  • [学会発表] 「いのちに向き合う-緩和ケアの原点」2021

    • 著者名/発表者名
      藤井美和
    • 学会等名
      公益財団法人日本医療社会福祉協会(基調講演)
    • 招待講演
  • [学会発表] 「いのち」へのまなざし~死生学の視点から~2020

    • 著者名/発表者名
      藤井美和
    • 学会等名
      第65回日本透析医学会学術集会・総会(基調講演)
    • 招待講演
  • [学会発表] 「死ぬこと、生きること、働くこと:死を見つめることを通して働くことを考える」2020

    • 著者名/発表者名
      藤井美和
    • 学会等名
      中京大学先端共同研究機構企業研究所公開講演会
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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