研究課題/領域番号 |
16K04251
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
小高 真美 上智大学, グリーフケア研究所, 研究員 (60329886)
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研究分担者 |
福島 喜代子 ルーテル学院大学, 総合人間学部, 教授 (40307997)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 自殺予防 / ソーシャルワーク / 教育プログラム / 実施マニュアル / 教授法 |
研究実績の概要 |
本研究代表者らは、これまでに、ソーシャルワーカーを養成する首都圏の3つの大学の教員各1名(合計3名)が、『ソーシャルワーカーにできる自殺予防』(以下、教育プログラム)の実施マニュアルを用いて、自らの授業の一環として教育プログラムを実践した。その際、プログラムの実施可能性と効果を検討するために、教育プログラムを受講し、研究参加に同意した学生を対象に、教育プログラム実施の直前直後に質問紙による調査を行った。質問紙は、自殺や自殺予防に関する知識(プログラム前後)、自殺に対する態度(プログラム前後)、教育プログラムの満足度(プログラム後のみ)、属性等(プログラム前のみ)の質問項目で構成した。その結果、ソーシャルワーカー養成課程の教員が、実施マニュアルを用いて自らの担当科目内でプログラムを実践することの実施可能性と一定の効果が認められた。有害事象は特に認められなった。教育プログラムを実施した3名のうち、2名は、自殺予防やメンタルヘルスについて専門とする教員ではなかった。このことから、本教育プログラムは実施マニュアルを用いることで、ソーシャルワークを教授する教員であれば自殺予防に関する知識や経験が豊富でなくとも、実施できる可能性が高いことが示唆された。 また、教育プログラムおよび実施マニュアルの普及を目指し、実施マニュアル第1版と教育プログラム第2版を作成して、ソーシャルワーカー養成課程のある全国の大学や専門学校に配布するとともに、これまでの研究成果の報告もおこなった。また実施マニュアルと教育プログラム配布資料は、ウェブサイトでのダウンロードも可能にした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画で予定していた通り、教育プログラムを実施できる教員を更に養成し、教員自らの授業に取り入れてもらうことで、実施マニュアルを用いたプログラムの実施可能性と、その際のプログラムの効果について検討を進めることができた。また、プログラムの普及に向けた取組みとして、ソーシャルワーカー養成校(大学 や専門学校等)を対象に、これまでの研究成果の報告や教育プログラムおよび実践マニュアルを紹介した。これらのことから、本研究はおおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
平成31年度は、教育プログラムの実施可能性と効果に関する調査で得られたデータを更に詳細に分析するとともに、学術雑誌での成果報告を目指す予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
これまで蓄積したデータの詳細な分析や学術雑誌への論文投稿を次年度に行うこととしたため。
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