研究課題
本研究代表者らは先の研究で、ソーシャルワーカーを目指す学生が、将来、実践の現場で自殺ハイリスク者の支援にあたる際、そこで求められる基本的な知識やスキルを身につけることをねらいとした、自殺予防教育プログラムを開発した。そして本研究は、ソーシャルワーカー養成教育にたずさわる教員が、同教育プログラムを実施するために用いることができる、マニュアルを開発することを目的とした。マニュアルを構造化することで、教授にあたる教員が、自殺予防対策を専門領域としない場合であっても授業を円滑に展開できるように工夫した。またマニュアルの冒頭には、自殺をテーマとした授業を実施する際の教員の不安等を払拭するための解説等も盛り込んだ。2018年度までには、マニュアルの開発、その実施可能性の検討、マニュアル普及に向けた取り組みを終了した。研究の最終年度では、開発したマニュアルに更新等の調整が必要かどうか評価するため、都内の2大学において、ソーシャルワーカーを目指す学生を対象に、これまでプログラムを実施した経験のある教員2名がそれぞれの担当科目で、マニュアルに基づく授業を実施した。その結果、年間自殺死亡者数等のデータを用いた講義を行う際は、その都度、教員は最新の情報を入手する必要があるが、それ以外については特に調整を加えるべき箇所はないことが明らかになった。今後、教育プログラムやマニュアルの普及を含め、ソーシャルワーカー養成課程における自殺予防教育の推進に向けた更なる取り組みが求められる。
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