研究課題/領域番号 |
16K04270
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
堀毛 一也 東洋大学, 社会学部, 教授 (10141037)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ウェル・ビーイング / ポジティブ心理学 / 主観的幸福感 / 心理学的介入 / web調査 / 尺度研究 |
研究実績の概要 |
本年度は、前年度の準備を受け、以下に示す課題を遂行した。1)まず、6月にカナダ・モントリオールで開催された国際ポジティブ心理学会(WCPP)に参加し、関連発表を行うとともにポジティブ心理学の最新の動向について、幅広く資料収集を行った。2)前年度末に収集したweb調査データを元に、10月に広島大学で開催された日本社会心理学会において、「主観的ウェル・ビーイング尺度間の関連に関する整理・検討」という表題で、主観的ウェル・ビーイングが6つの側面にまとまることなどを中心とする成果を発表した。3)同じ調査で行った6つの幸せに関し、しろうと理論としてどうすれば幸せを高めることができるかという自由記述について、それぞれを測定する尺度の高得点者と低得点者の内容の比較検討を行った。高得点者ではより具体的な提案がみられる一方、低得点者では「何もない」とする回答が多かった。この結果は、次年度のヨーロッパ・ポジティブ心理学会で発表を行う予定である(アクセプト済み)。4)年度末に、介入によるウェル・ビーイングの変化に関するweb調査を行った。まずスクリーニングとして、10000人を対象に、現在の幸福感を尋ね、そこから幸福感のレベル(3段階)の異なる男女、2世代500名を抽出し、2週間にわたり、プレ調査、中間調査(1週間後)、ポスト調査(2週間後)を行った。プレ調査とポスト調査で、6つの側面のウェル・ビーイング評定を依頼するとともに、海外での先行研究とともに、3)の結果を参考にして作成した18の幸福感増進介入技法について、毎日就寝前に選択した3つの方法を実践するよう依頼した。結果は現在解析中であるが、日本的ウェル・ビーイングに合致した平穏感を高める介入が好まれることなど興味深いデータが得られている。この成果については、次年度の国際・国内学会で発表を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨夏に、ほぼ1ヶ月、病気のため入院・手術を行い、予定していた海外学会にも参加できなかった。また課題遂行にも影響があり、本来2月を予定していた調査が3月にずれ込んだ。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は時間的ゆとりも増えたため、課題の遅れを取り戻し、完了にむけて順調に遂行できる予定である。2つの国際学会、また2つの国内学会で成果の発表を行う。秋に介入に関する最終的な調査を行い、成果をまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
全体のスケジュールの遅れによる。すでに2018年3月にweb調査で約50万を使用し、また4月に夏に参加予定のヨーロッパ・ポジティブ心理学会の参加費・旅費約50万を申請している。
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