研究課題/領域番号 |
16K04284
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育心理学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
藤井 義久 岩手大学, 教育学部, 教授 (60305258)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | いじめ認知 / 精神的苦痛度 / いじめ深刻指数 / いじめ防止能力 |
研究成果の概要 |
被害者判断でもあり第三者判断でもある客観的な「いじめ判定」を可能にするために、各出来事ごとに「いじめ深刻指数」が付記された「いじめ認知尺度」を開発した。また、児童生徒の「いじめ防止能力水準」を客観的に測定評価できるようにするために「いじめ防止能力尺度」を開発した。その結果、児童生徒の「いじめ防止能力」は、危機介入、感情統制、援助要請、意思伝達という4つの能力因子で構成されていることが判明した。そして、フィンランドの児童生徒の方が危機介入を除く全ての能力及び全体において有意に高いことが明らかになった。そのうち特に援助要請能力を高めることがいじめ防止において重要であることが明らかになった。
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自由記述の分野 |
学校心理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通して、被害者の主観的判断のみに頼らない客観的な「いじめ判定」を可能にする「いじめ認知尺度」が初めて開発されたことは学術的にも社会的に意義深い。新たに開発された尺度では、学校において「いじめ」が疑われる出来事それぞれに相対的な精神的苦痛度を示す「いじめ深刻指数」が付記されているので、学校現場において頻度と程度の両面から「いじめ」によって心に深刻なダメージを受けている児童生徒の早期発見に大きく寄与することが期待される。あわせて「いじめ防止能力尺度」が開発されたことは、児童生徒の「いじめ防止能力」の実態把握だけでなく、「いじめ防止教育」の効果検証においても大いに貢献することが期待される。
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